小さい交通が都市を変える
買い物難民、交通弱者をなくすために必要なもの。現代社会が直面する、超高齢化、人口減少、環境問題といった問題に対処するためには、高速道路・新幹線・飛行機などの〈大きい交通〉だけでなく、電動カート・自転車タクシーなどの〈小さい交通〉が必要である。現実に、いま「小さい交通」はさまざまな場所で萌芽があらわれている。本書ではさまざまな事例を取り上げ、「小さい交通」の意義と可能性を考える。
■目次
はじめに 小さい流れという視点
・第1章 小さい流れの最前線
1.小さい乗り物への挑戦(12事例)
歩行機能を甦らせる足漕ぎ車椅子/プロファンド
誰でも使える電動車椅子/パルパル
オシャレな手漕ぎ自転車/ハンドバイク
炭鉱技術が生きた小型モノレール/スロープカー
自動車企業の巨人が提示する未来カー/ファン・ヴィーとアイ・ロード ほか
2.小さい流れへの挑戦(16事例)
ニッチな需要に小型自動車をカスタマイズ/コムス変奏曲
小さな交通のための社会に向けて/東京大学須田研究室
デンマークの生活哲学に触発されて/グラディエ
住民のもとに出向く市役所/勝浦市移動市役所
マイペースで回る新しい観光の形/レンタル電動バイク(糸島)
自動車メーカーと行政がタイアップした小型電気自動車の
シェアリングシステム/チョイモビ ほか
・第2章 流れの技術が都市の形態を決める
都市の規模は流れの技術で決まる
日本中が熱狂した〈大きい交通〉
熱狂の後
・第3章 新しい価値観の芽生え
小さい変化
移動の権利
身体観
移動の快楽
観光
街に生きる
小さい経済
・第4章 サイクリング・シティ ―アムステルダムとコペンハーゲンから学ぶこと
機能分化した自転車道路(コペンハーゲン)
国土を越えて広がる自転車道路のネットワーク(アムステルダム)
乗り物に自転車を積載する
親和的な自転車と建築
サイクリング・シティの先へ
・第5章 マルチ・モビリティ・シティ(MMC)宣言
著者:大野秀俊、佐藤和貴子、齊藤せつな
出版社:NTT出版
サイズ:A5
ページ数:198
発行年:2015.09
