
隈研吾という身体 自らを語る
「負ける建築」を標榜する隈研吾の建築思想の大きなキーワードは「受動性」である。隈においては建築が受動的な行為であるのだが、その思考は一般の建築家イメージと真逆であり十分に理解されていない。本書では、隈研吾の今日までの来歴と、数ある著作と建物とを結びつけて検討し、さらに隈自身にインタビューすることによって、隈研吾の旺盛な活動の中にひそむ受動的なバネを明らかにする。
■目次
序 隈と隈以外を分かつもの
エンクロージャーとしての建築/建築の外へ
第1章 建築は経済に従う 隈の幼年時代
マイホームからの疎外/所有しないという幸福/弾けるバブル
第2章 身体的感性 隈の学生時代
第3章 生きている伝統木造
第4章 商品ではない建築を目指して 隈の地方時代
第5章 汎コンクリートから場所・素材・技術へ
第6章 コンピュータを身体化する
第7章 世界の環境に愛される建築 隈の海外時代
あとがき
注
図版目録
著者:大津若果
出版社:NTT出版
サイズ:四六
ページ数:306
発行年:2018.12