金持ちは、なぜ高いところに住むのか 近代都市はエレベーターが作った
世界がまさに20世紀へ突入しようとする頃、人々の生活に革命を起こす「箱」が現れた-ヨーロッパとアメリカの建築の比較を通して、空間の意味そのものを変えてしまった装置の歴史をたどる。現代へと続く風景の元を築いた「宙吊りの密室」の物語。
■目次
・序
1. 多層建築のイメージ
2. 1854年ニューヨーク
3. エレベーター事故
・第1章 裂け目 — エレベーターによる垂直の構築
1. 縦穴の理論
2. 直線化の建築様式
3. 階のあいだの無
・第2章 階 屋根裏部屋からペントハウスへ — エレベーターと建物の垂直秩序
1. グランドホテル
2. 貧しき詩人たち、世をはばかる夫婦
3. 階の病理学
4. 世紀転換期の文学における屋根裏部屋の意味
5. 変容のコンセプト
・第3章 インターフェイス — 制御技術
1. 名人芸と責任
2. 押しボタン式コントロールと自動運転への道
3. 補論
・第4章 内装 エレベーターボックス-親密性と匿名性の交錯点
1. 公の空間か私的な空間か
2. 異物から建物の核へ
3. 都市化と空間への怖れ
4. エレベーターの政治性
5. エレベーターの語りの機能
著者:アンドレアス・ベルナルト、井上周平、井上みどり
出版社:柏書房
サイズ:四六
ページ数:405
発行年:2016.06
