学校開放でまち育て サスティナブルタウンをめざして
東京湾の埋立地にあるニュータウン秋津は、どこにでもある小学校の機能と施設を住民と協働・共有するユニークな地域づくりで注目されている。住民たちが「子縁」でつながり、秋津小を拠点に築いてきたコミュニティが、少子高齢化によるまちの衰退に抗し、いかに次世代育ちを実現しようとしているのか、その取組みと課題に迫る。
■目次
・1章 子縁でつながったニュータウン
埋立地に生まれた秋津のまちとは-概要とミニ開発史/旧市民との摩擦から学んだこと/秋津小学校創立と初期の教職員たち/地縁から「子縁」へ
・2章 われらスクール・コミュニティ 秋津が「小学校」を発見した!
今日も学校で―秋津の真ん中にはいつも小学校がある/歩いて通える、顔と名前が一致する小学校区
/学校は、自然に人が循環する組織/世代間交流を推進する場としての小学校/どこの小学校+地域でも持つ三つの機能を活かす
・3章 学校施設の地域開放の工夫
住民との共用・開放のポイント/学校の鍵を住民が持つことの意味/避難所としての学校
■秋津モデルに学んだ校舎内施設の開放例
大阪府貝塚市立北小学校ふれあいルーム/神奈川県川崎市立虹ケ丘小学校コミュニティルーム/新潟市立笹口小学校「ほっとハウス笹口」/広島県福山市立新市小学校「しんいちコミュニティルーム・キラキラ」/新潟県妙高市の全市立学校の校舎内施設開放
学校新築複合化のためのハードとソフト
・4章 学校づくり・まち育て・子育ちは三位一体で
いつでもだれでも学べる、生涯学習のまち育て/スクール・コミュニティ(市民立学校)の普遍性/コーディネーターを育てよう
・5章 次世代育ちの芽とわれわれのできること
秋津ではやる秋津内移動/児童数減少が止まったワケ/若者家族がUターン・Iターンしたがるまち育てとは/安全で安心な子育てしやすいまちへ
・6章 サスティナブルなまち育てのしかけ
若い人を誘うコツ/男性の参画と継続の秘訣/学校づくりはコミュニティ・アートと一体で/地域で子どもを育てるという新しい公共性
・7章 ニュータウンの老いに抗す 自助・共助のまち育て
「二つの老い問題」に直面するニュータウン/お年寄りが元気で生きられるまちに/納税意識の高い次世代を育てる/コストをかけないまち育て
・終章 生産のないまちだから考えるこんなアイデア
■資料編
秋津小学校コミュニティルームの運営概略
秋津コミュニティ設置要綱
秋津小学校コミュニティルーム運営委員会運営管理基準
秋津小学校コミュニティルームの使用にあたっての合意事項
習志野市コミュニティルルーム管理要綱
著者:岸裕司
出版社:学芸出版社
サイズ:A5
ページ数:223
発行年:2008.01
