創造都市のための観光振興 小さなビジネスを育てるまちづくり
京都やフィレンツェが観光客の心を捉えるのはなぜか。そこには歴史・文化・景観といった資源だけでなく、創造的な市民の力がある。街に暮らす人が誇りを持ち、自らの街を楽しめること、店や人を育てることで街は魅力的になり、観光客との交流がその質を一層豊かにする。地方都市の創造的観光まちづくりの進め方を軽快に語る。
■目次
・Chapter1 地方都市が観光振興のためにすべきこと
1 観光振興策の根本的間違い
2 まず、日帰り観光客を確実に増やせ
3 観光客の五感を満足させる街を創れ
・Chapter2 観光の大きなトレンドを知る
1 京都観光の主流は男性から女性、若者から中高年へ
2 観光の中心は名所旧跡巡りから、お洒落な街へ
3 観光旅行は団体からグループへ、個人へ
4 変化のキーワードは多様化、深化、日常化
5 変化を受け止めるのは街の多様性と文化力
・Chapter3 何が観光客を惹きつけるのか
1 観光客が本当に買いたいものは
2 その街のステキな市民が育てた逸品こそ魅力
3 商品・サービスの魅力を生む市民の芸術力
4 文化遺産を産業の付加価値に活かすアーティスト
5 観光都市から創造都市への転換
6 遺産の守り手(住民)と第三の市民(観光客)
7 進む市民と観光客の融合
・Chapter4 市民も観光客も楽しむ街 京都・長浜・彦根
1 女性化した観光客は京都をどう変えたのか?
2 女性の好みにあわせて深化する京土産
3 市民も観光客も日常的に楽しめる飲食店
4 地方にも芽生え始めた個性が光る店
5 サービス化、飲食店化が中心市街地を変貌させた彦根市
6 小洒落た商品を小綺麗な店で売る長浜の黒壁
7 地方の歴史都市、町並み保存の先にあるべきもの
・Chapter5 地域の雇用を生み出す観光政策へ
1 観光消費が伸びない町に欠けているもの
2 観光消費を伸ばすには飲食・買物が決め手
3 官が観光施設をつくっても消費は伸びない
4 これから観光政策は何をすれば良いのか
5 小さな公共事業で街の魅力を高め新規事業者を育てよ
・Chapter6 感動できる町並みを創る景観まちづくりへ
1 景観保全と観光の今日的関係
2 文化財保存から美しい街の創造へ
3 祭りの感動が味わえる町並みを創る
4 美しい街に配慮した事業者が栄える仕組みをつくる
・Chapter7 歩いて楽しい街を創る交通政策へ
1 溢れかえる車が街の魅力を台無しにする
2 歩くことの楽しさが復活してきた京都観光
3 観光消費を伸ばすための交通政策を
・Chapter8 多様な力で動かす創造都市への道
1 観光まちづくりは個人の小さなビジネスの応援のため
2 観光の創造力を生むアーティストたち
3 グローバル化の2つの活かし方
4 観光地を育てる都市計画と文化・商業政策
5 創造都市に向けた観光まちづくりの進め方
著者:宗田好史
出版社:学芸出版社
サイズ:B6
ページ数:207
発行年:2009.12
