技師たちがみた江戸・東京の風景
明治・大正期は価値観が激変した時代とされるが、断絶と言える程潔いものだったのか?街の改変の現場で、技師達は、近世の風景観と欧化への志に挟まれ葛藤する。その姿は我々が今も整った街並みを実現できずにいる一方、江戸の庶民が愛でた賑わいの風景に共感することに気付かせ、良い景観とは何かという問いの再考を迫る。
■目次
はじめに
東京市街中心部概略図(大正初頭)
・一章 庶民が楽しんだ江戸・東京の風景
一 町の変貌 江戸から東京へ
ニ 庶民が楽しんだ江戸の風景・東京の風景
三 風景の楽しみかたは変わったか
・二章 技師たちがみた江戸・東京の風景
一 日本橋における「みもの」づくり
ニ 日本橋通りを東京の目抜き通りへ
三 外濠をめぐる開発と保存問題
・三章 近代都市東京をつくる
一 変貌する江戸
ニ 不体裁な都市東京の出現と美観意識の萌芽
三 美観のための制度の誕生
・四章 風景と向き合う
一 風景観の混沌から学ぶこと
二 風景の楽しみを語らう
おわりに
図版出展
著者:笠原知子
出版社:学芸出版社
サイズ:A5
ページ数:158
発行年:2010.04
