住まいを四寸角で考える 板倉の家と民家の再生
スギの四寸角の柱に、一寸厚の板による壁と床、マツ丸太の梁。住まいは、荒々しくも素朴な木がむき出しの空間となり、しかしどこか端正で優しく、呼吸する家となる。そして、日本の民家は、地域の、いや人類の文化遺産。民家を再生することは、先人の知恵を未来に生かしていくことだ。著者の「板倉構法」と「民家の再生」の理念と具体が、ついにここに結実。多数の実例を写真や詳細図を掲載して紹介している。
■目次
・半らの家づくり まえがきに代えて
・板倉の家づくり
住まいを四寸角で考える/板倉構法の詳細/田園都市の木の家/里山建築論序説/森と共生するかたちの変遷/板倉の住まい/二段階方式による産直住宅の試み/置屋根と越屋根/レーモンドと利休 森を見た建築家
・民家の再生は地域の再生
民家の再生 その意義と今後の課題/風土と文化も蘇らせる、民家の再生/民家は、地域の文化遺産/先人の知恵に学ぶ 未来への可能性
・木の学校づくり
雪国の暮らしと木造校舎/地元の木・職人の技と、現代の建築技術を結びつける試み 「栄小学校」の校舎と屋内体育館/構法と工程
・民家の見方
日本の民家とは何か/土で囲われた住まいの系譜/民家の知恵を読み解く/縁側考 その起源と変遷をたどる/蓑をまとった住まい/茅葺きのいま、そしてこれから/南部の芝棟/小屋の風景学/日本の井籠倉 板倉構法の起源
・初出一覧
・あとがき
著者:安藤邦廣
出版社:学芸出版社
サイズ:A5
ページ数:231
発行年:2005.08
