近代日本の作家たち 建築をめぐる空間表現
従来の様式・時代別の近代建築史ではなく、作家別に建築とそれに関わる空間表現の歴史を解説する。14人の代表作だけでなく、その生き方や発想の源にも触れ、読者の創造意欲を喚起する。同時代に生きた建築家、インテリアデザイナー、作庭家、彫刻家、陶芸家たちを分野を横断して紹介し、近代日本を多面的・重層的に読み解く。
■目次
・はじめに
・年表
・相関図
・序章 黒田智子
近代日本における建築をめぐる空間表現の前提:明治維新~第一次大戦/ヨーロッパのモダニズムと「日本的なもの」論 第一次大戦-日中戦争/アメリカへの前衛作家の移動と日本のモダニズム 敗戦~高度経済成長/モダニズムという言葉の意味と背景
・I部 建築における伝統性の近代的解釈
1 村野藤吾-歴史とモダニズムを超えて 笠原一人/2 吉田五十八-新しい普遍的日本建築を求めて 青井哲人/3 堀口捨己-「日本的なもの」の探求 本田昌昭/4 白井晟一-普遍的伝統の創出、白井好みへ 田中禎彦
・II部 欧米建築家の作法の受容と昇華
5 遠藤新-日本人建築家としてのF.L.ライトの思想の実践 黒田智子/6 山口文象-時代・社会・建築の関係性を探究し続けた表現者 加嶋章博/7 前川國男-日本の近代建築に生命を与える 松隈洋/8 丹下健三-日本のモダニズムの確立 黒田智子/ 日本を代表する国際的建築家として
・III部 近代的生活の場のためのデザイン
9 リチ・上野=リックス-装飾とモダニズム 奥佳弥/10 剣持勇-「ジャパニーズ・モダーン」の追求 笠原一人/11 浜口ミホ-台所改革による住宅の民主化 小林正子
・IV部 近代的作法が向かう芸術の空間性
12 北大路魯山人-食空間の芸術性を求めて 黒田智子/13 重森三玲-伝統とモダンの融合 重森千青/14 イサム・ノグチ-彫刻としての空間の探求 南智子
著者:黒田智子
出版社:学芸出版社
サイズ:A5
ページ数:206
発行年:2006.02
