衰退を克服したアメリカ中小都市のまちづくり
コミュニティ、ヒューマン・スケール、都市デザイン、アーバニティ、公共性(パブリック)、サステイナブル、多様性・・・これらの価値観を重視する人たちがアメリカでは増えている。本書は、このような人たちが理想とするライフスタイルの場であり、その土地固有の場所性に溢れるアメリカの中小都市を紹介する。当初、周辺は冷ややかな反応であったという各都市の再生への取組み、現在のような高いクオリティ・オブ・ライフを実現するに至った経緯から、日本の中小都市も参考にできるのではと著者が提言する。
■目次
・第1章 デービス(カリフォルニア州)
「ゆっくり」を志向する
デービスの概要/ファーマーズ・マーケット/オープンスペースとグリーンベルト/自転車都市「デービス」/オルターナティブなコミュニティ・プロジェクト/デービスはなぜユニークな道を歩めたのか
インタビュー マイケル・コーベット
・第2章 チャールストン(サウスカロライナ州)
伝統的街並みと街のアイデンティティを守り、個性を磨く
チャールストンの概要/歴史地区の保全活動の展開/現在の保全活動の展開/現在の保全活動を牽引する市民組織/ジョゼフ・ライリー市長の舵取り/歴史保全の分岐点となったハリケーン・ヒューゴ/将来への展望/街並みを美しくするということ
・第3章 バーリントン(ヴァーモント州)
公共機関という都市の共有財産を創造する
バーリントンの概要/人が集まる公共空間-チャーチ・ストリートという奇跡/魅力的なストリート空間を演出する都市デザイン/委員会による継続的な管理運営/その他の成功要因
・第4章 ボルダ-(コロラド州)
グリーンベルトに囲まれたコンパクトな都市
ボルダ-の概要/グリーンベルトを計画した都市/自動車を排除した中心市街地/成長管理政策を導入し、コンパクトな都市を維持/自動車からの脱却/大規模商業都市との攻防/なぜ魅力溢れる都市環境を創造できたのか
インタビュー カール・ワージントン
・第5章 チャタヌーガ(テネシー州)
市民主体の都市づくり
チャタヌーガの概要/リサイクル事業/都市デザイン事業/チャタヌーガの実行力
・第6章 日本の中小都市への提言
我が国の中小都市の現状と課題/5つの事例から得られる知見/国の多様性を発揮させる中小都市
・コラム
野生動物と人間が共有するオープンスペース
サステイナブル都市を目指すバーリントン
住宅に隣接しているグリーンベルト
電気バス事業
著者:服部圭郎
出版社:学芸出版社
サイズ:A5
ページ数:207
発行年:2007.12
