港町の近代 門司・小樽・横浜・函館を読む
幕末から近代という歴史の大きなうねりのなかで形成された港町の空間の魅力は、脈々と繋がる歴史を継承した都市形成のプロセスにある。ここでは代表的な四つの港町を訪れ、変転の歴史が刻まれた街の記憶をよみ歩く。表層的な観光だけでは知ることのできない、空間の奥行に秘められた歴史浪漫をたどる、新しい街歩きの視点。
■目次
・序
1 港町に投影された日本の近代/2 近代都市化のプロセスを読む視点/3 近代港町のルーツを追って
・第1章 門司 荒地に築かれた近代港町
1・1 近代の基層の発見/1・2 近代港町を読み解く方法/1・3 レトロブームからの脱却
・第2章 小樽 特異な地形に成り立つ多極連鎖の複合空間
2・1 小樽を捉える眼差し/2・2 複雑な地形を基層にした小樽の原像/2・3 幾つもの素顔を持つ小樽繁栄のプロセス/2・4 小樽の昭和初期と現在、未来
・第3章 横浜 開港場・横浜の近代都市形成の手法
3・1 横浜を知る切っ掛け/3・2 近世の文脈をベースにした近代の都市骨格/3・3 開港場・横浜の初期発展段階/3・4 海から馬車道を辿る/3・5 近代港町・横浜の拡大/3・6 街が語りかける素顔と将来への展望
・第4章 函館 坂と水際に潜む近代港町の歴史的固有性
4・1 函館をどのように捉えるのか/4・2 水際に展開した三つの河岸空間を追う/4・3 輪廻する函館の三つの都市像/4・4 これからの函館
著者:岡本哲志、日本の港町研究会
出版社:学芸出版社
サイズ:A5
ページ数:206
発行年:2008.04
