負の資産で街がよみがえる 縮小都市のクリエーティブ戦略
都市再生の成功例の話題に事欠かないヨーロッパでは、既存の都市的コンテクストをうまく活用し、過去の資産を巧みに利用して、新たな価値を生じさせている。しかし、町おこしや、街並み再生など、地域レベルでは努力をしている日本も、実際に資金を出し、事業を起こす人たちはリスクに対し消極的である。そして、古く役に立たないと見捨てられた建築の山。本書では、このような問題意識の元に、進取の精神をもって都市や地域の問題に果敢に取り組んでいる人たちを対象に、元気の出る、面白いまちづくりの仕組みを提案している。
■目次
・序章 都市のアグリー・ダックリンたち-不幸な国の新たな主役
・第1章 文化資源を利用した地域の再生
文化資源論の系譜/表の文化、裏の文化/アートと街のマッチング/ビエンナーレ・トリエンナーレの効用/地域資源の再発見
・第2章 アーティスト・イン・空き家
ソーホーの神話/都心を占める木造住宅密集市街地/京島に住む/「アーティスト・イン・空き家」の実施/過疎地でも「アーティスト・イン・空き家」
・第3章 多文化が交わる都市社会
多文化共生の枠組み/もうひとつの木造住宅密集市街地、横浜鶴見/南米人が街を元気にする
・第4章 廃校がミュージアムに
小学校がなくなる/学校はアート・スペースになるか/D-秋葉原テンポラリー
・終章 縮小時代の価値創造
「負の遺産」を「正の遺産」に置き換える/デザインの四面体/クリエーターと地域性
著者:三宅理一
出版社:学芸出版社
サイズ:A5
ページ数:207
発行年:2009.08
