環境のイエ フィジックスと住空間デザイン
環境配慮が求められる今、住宅においては太陽光発電など大掛かりな設備が想像されがちだが、身近な環境を意識し、それをデザインに組み込むだけで住空間と居住性は快適にできる。光・熱・空気・音環境の物理的特性(フィジックス)から展開する空間デザインの可能性を建築家の実作でビジュアルに示し、著者の自邸で詳解する。
■目次
・1章 フィジックス・デザインとは
フィジックスとイエの歴史/フィジックスと気候風土・地理/フィジックス・デザインの今
・2章 ハウジング・フィジックス・デザインの試み
日本の気候風土に対応した近代住宅 聴竹居/藤井厚二
寒冷地における厚い壁に囲まれた住空間 アースキン邸/ラルフ・アースキン
南に向かって大きく開かれた北国の実験住宅 上遠野邸/上遠野徹
RCで持ち上げられた木造の箱 脇田山荘/吉村順三
パッシブデザインの先駆け つくばの家Ⅰ/小玉祐一郎
南半球の開放系住居 シンプソン・リー・ハウス/グレン・マーカット
南北のバッファーゾーンで包み込む、寒冷地の住まい IS邸/設計組織ADH
熱容量の違いを活かした住空間 静戸の家/田中直樹
北側採光のマンションリノベーション イガタ/小泉雅生
折り畳まれたワンルーム 曽我部邸/曽我部昌史+丸山美紀
ライトチムニーのある段状の一室空間 ノラ・ハウス/アトリエ・ワン+東京工業大学塚本研究室
既存建築に挿入された新たな箱 In BOX Project 01/藤江創
13 既存の蔵を活かした郊外農家の住まい――川越の家 TERRA/峯田建+恩田恵以
14 豊かな光と風を採り込む都市型住居――箱の家128/難波和彦・界工作舎
15 環境制御のためのコンクリートルーバー――コンクリートルーバーのある家/StudioGreenBlue
16 階段室を中心とした螺旋状の空間――創エネハウス/小泉雅生
column
光1/光2/熱・温度/通風・換気/音/周辺環境
・3章 アシタノイエにおけるフィジックス・デザイン
地形を活かしたオープンエンドな住まい アシタノイエ/丘陵地に建つ実験住宅/家族の関係を調整し環境を制御する/地形や樹木を活かす/距離感を生み出しながら、一体感を醸し出す/繊細な構造部材で、身体感覚に近づける/アシタノイエのフィジックス・デザイン/環境を意識した材料と構法/環境性能を評価する
・4章 フィジックス・デザインの可能性
計画原論から環境工学へ、そしてフィジックス・デザインへ/環境配慮住宅のこれから
著者:小泉雅生
出版社:学芸出版社
サイズ:A5
ページ数:160
発行年:2010.11
