現場直伝！躯体工事の100ポイント

今の現場管理者は、少数配員のもと人手不足を凌いでいるのが実情で、品質をじっくりチェックして学習する余裕がないまま現場を終えてしまうことも多い。本書は長年にわたり現場巡回指導を行ってきた著者が、心構えや技術的なポイントを楽しいイラストや図・写真でわかりやすく解説。若手・中堅の施工管理技術者必携の読本。

■目次

・はじめに

・1　技術者としての心構え

人の失敗まで自分の糧にしよう／現場が教えてくれること／ベテランの生きたノウハウに学ぼう／「段取り八分」を実践しよう／マニュアルに頼りすぎてはいけない／何事も最初が肝心／施工要領書は作業計画の原点／検査記録と写真は何のため？／自分の歩掛りデータを持とう／コミュニケーション能力をアップしよう

・2　鉄筋工事

構造図から何を読み取る？／現場での検収を怠らない／柱配筋のチェックポイント／かぶり厚さが持つ3つの役割／最小かぶり厚さ＋10mm＝設計かぶり厚さ／設計かぶり厚さは目地底から確保しよう／かぶり厚さの不具合がなくならないわけ／かぶり厚さについてまわる「あき」の確保／あき、かぶり厚さが見逃されやすい部位／あきの確保が難しい柱脚部／配筋検査と写真記録／機械式継手の確認事項／設備配管にも目を向けよう／設備屋さんに設備開口まわりの配筋を任せたら・・・／One Point　スペーサーあれこれ／工場製品でも安心は禁物／圧接に関する引張試験結果は早めに入手／定着長さに関するJASS5改定の要点／かぶり厚さに関するJASS5改定の要点

・3　コンクリート工事

乾燥収縮ひび割れ防止対策の考え方／ひび割れ誘発目地とは／断面欠損率をアップさせる裏技／バルコニースラブの誘発目地位置決めの留意点／開口両脇に誘発目地のある場合、斜め補強筋は逆効果／One Point　腰壁の誘発目地間隔は腰壁の高さに応じて／「コンクリートが溶けとるんと違うか？」／今は昔？集合住宅の「八の字ひび割れ」／せき板を取り外しても養生が必要なわけ／降雨はお金のかからない外壁の散水試験だ／地下外壁からの漏水を防止しよう／打放しコンクリートは手直しが効かない／打放しコンクリートは手直しが効く？／打ち重ねたコンクリートの色が違うのはなぜ？／レイタンスは脆弱層だ／仮設開口はあくまで仮設だ／床開口にまつわる事例／生コン調合（配合）報告書・計算書を読む／日頃からスランプに慣れておこう／テストピースの採り方を間違えないように／コンクリートの打継ぎの要点／膨張コンクリートといえども収縮する／バイブレータの働きを知っておこう／降雨時のコンクリート打ちは悩ましい／散布塗込み型床コンの泣きどころ／土間コンのひび割れを減らそう／年々増加している暑中のコンクリート／コンクリート強度に関する2009年版JASS5改定の要点

・4　鉄骨工事

高力ボルトは大臣認定品とJIS製品の2種類ある／マーキングのずれ方をよく観察しよう／溶接継手を観察してみよう／超音波探傷検査の合否判定の見方を知ろう／パス間温度の管理とは？／鉄骨骨組みの倒壊防止に細心の注意を／建ち直しワイヤが不要な建方治具を活用／塗装や溶接をしてはいけないところ／溶融亜鉛メッキ鉄骨の基礎知識／焼抜き栓とスタッド溶接のポイント／One Point　アークストライクの禁止

・5　型枠工事

打放しコンクリートでの留意点／ビーム式工法・デッキプレート工法の倒壊に注意／トラス筋付デッキ型枠：力の伝達メカニズム／急施工向けコンクリート打込み型枠／明かりがとれる型枠は省エネにも貢献／「あばたもえくぼ」にはならない？／構造スリットを歪ませない／コンクリート打継ぎ型枠の留意点／スラブ下支保工はFc未満でも取り外しできる／敷き桟・敷きベニアからノロを漏らさない工夫／One Point　コンクリート表面に現れる色もいろいろ

・6　土工事・杭工事

地盤調査報告書で注目してほしいこと／造成地盤の中味は不均質？／土中埋設配管はメンテ不能／知っておきたいシロアリの基礎知識／埋戻しは（増打ち）地中梁天端まで／既製杭が入場したらよく観察しよう／電流計指示値からわかること／既製杭：高止まりがあれば低止まりもある／スライム処理の重要性／杭頭で気をつけること

・7　PCa工事・PC工事

プレキャストコンクリート（PCa）いろいろ／PC工場調査で見るべきこと／PCaカーテンウォール取付けの要点／タイル打込みPCa板の留意事項／プレストレストコンクリート（PC）とは／プレストレス工事に着手するまでにやるべきこと／配線工事の要点とグラウト注入／緊張管理の進め方 1／緊張管理の進め方 2

・8　耐震補強工事

図面どおりにいくとは限らない／耐震診断・耐震補強とは？／あと施工アンカーの各ステップでの要点／あと施工アンカーの現場非破壊試験／型枠・コンクリート工事の要点／グラウト工事の要点