
3.11以後の建築 社会と建築家の新しい関係
3.11以後、建築家の役割はどう変わったのか? 岐路に立ち、社会との接点を模索する建築家25人の実践を、旧来の作品・作家主義を脱する試みとして取り上げた。彼らはターニングポイントで何に挑んだのか。復興、エネルギー、使い手との協働、地域資源等をキーワードに写真と書き下ろしエッセイで新しい建築家像を照らす。
■目次
・巻頭対談 社会と建築家の新しい関係 3.11以後の建築
五十嵐太郎×山崎亮
「3.11以後の建築」展に寄せて
1. みんなの家
・伊東豊雄+乾久美子+藤本壮介+平田晃久+畠山直哉
・伊東豊雄
転機となった「みんなの家」と、これからの建築観を語る
2. 災害後に活動する
・坂 茂 モニュメントとしての災害支援
・東日本大震災における建築家による復興支援ネットワーク[アーキエイド]
・建築家の自律的分散型アプローチによる復興支援活動とネットワークの構築
・はりゅうウッドスタジオ
被災地×縦ログ構法。その優位性と可能性を探る。
・小野田泰明 復興作業の概要と建築人の役割
3. エネルギーを考える
・竹内昌義+馬場正尊+東北芸術工科大学
日本における真のエコ住宅の開発を目指す。
・三分一博志 エナジースケープ
・山梨知彦+羽鳥達也+石原嘉人+川島範久(日建設計)
快適環境づくりと災害避難に、同じシミュレーション技術で取り組む。
4. 使い手とつくる
・新居千秋 まちの人や風土と対話しながら、居心地のいい建築をつくる。
・工藤和美+藤村龍至+東洋大学ソーシャルデザインスタジオ
縮小を集団で設計する。
・青木淳建築計画事務所+エンデザイン
市民と徹底的に関わってつくる、十日町の「まちなかステージ」。
・乾久美子
様々なユーザーと一緒に、市民の活動拠点にもなる「駅」をつくる。
5. 地域資源を見直す
・バスアーキテクツ BUS
「創造的過疎」を楽しむ町の人を資源に、活性化のためのインフラをつくる
・403 architecture[dajiba]
浜松という都市のネットワークが、プロジェクトの連鎖を生み出す。
・小津誠一+宮下智裕+松田達
金沢都市再編計画2014 <都市>と<まち>を繋ぐ。
6. 住まいをひらく
・光嶋裕介 地域や仲間のために、ひらかれた自宅をつくる。
・成瀬・猪熊建築設計事務所 「シェア」を設計する。
・ブルースタジオ 建築家のスタンスで、過去の物語に新たな物語を吹き込む。
7. 建築家の役割を広げる
・西村浩+ワークヴィジョンズ
小さくても楽しいできごとの連鎖で街の新陳代謝を活性化する。
・東京R不動産
業界の境界線を踏み越えて、新しい建築家の枠組みをつくる。
・トラフ建築設計事務所
「もの」から「空間」を発想する。
・東京の真ん中に、9年がかりでコンクリートをセルフビルドする。
著者:編著五十嵐太郎、山崎亮
出版社:学芸出版社
サイズ:A5
ページ数:237
発行年:2014.11