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リレーとしての建築 リノベーションの実践と思想

セール価格 2,640円(税込)

過去と現在、未来を繋ぐリノベの方法と思想

「建築のリレー」としてのリノベーションはオリジナルの保全でもなく、改変部分を際立たせるデザインとも異なる。一見どこをきれいにしたのか分からない兜町第5平和ビルのリノベが評判を呼んだ。好きな人が一人いれば良いと蔦を残した蔦の家など東京R不動産でも著名なSPEACの設計を担う著者の仕事と考え方を紹介する。

■目次
・はじめに

第1章 建築はリレーだ
1 建築と記憶
2 リノベーションと保存の現在地
3 リノベーションのデザイン――建築の古い部分と新しい部分の関係

第2章 文脈をつなぐ――日本橋兜町でのリノベーション
1 日本橋兜町――再生事業への経緯
2 再開発は外科手術、リノベーションは漢方
3 兜町第5平和ビル(旧第一銀行附属新館)――時の経過を表す再生
4 旧うなぎの松よし――老舗の物語を引き継ぐ
5 兜町第7平和ビル――旧ATMコーナーをオープンスペースに
6 建築のリレーで見えたこと

第3章 まちの文脈から使い方を考える
1 蔦の家――古さや手作りを楽しむ人を呼び寄せる
2 ビジネスインのむら――前用途の痕跡を残しながら新しい用途を考える
3 まちの文脈に接木をするように考える

第4章 思い出を建築に託す
1 パブリック・ハイツ――思い出の品々の再編で住空間を作る
2 龍宮城アパートメント――オーナーと建築とまちをひとつながりに考える
3 1930の家――引き算のデザインで古色を活かす
4 長生きする建築は異なる世代を結ぶ媒介者

第5章 建築を残す意味と「建築のリレー」のデザイン
1 建築を残すことにどんな意味があるのか
2 「建築のリレー」とは
3 「建築のリレー」のデザイン

第6章 新築でも「建築のリレー」はできるのか
1 新築でも「建築のリレー」の手法は使える
2 SUPERNOVA KAWASAKI――大規模再開発でもまちの文脈を読み取って作る

第7章 進む時間と巡る時間の実体化――下北沢
1 鉄道工事による再開発が長引いた下北沢
2 下北沢ケージ――仮設建築でまちの期待値を上げる
3 ハイランド――将来のリノベーションを想定して新築する
4 シモキタフロント――まちの切断面を時間をかけて癒す
5 建築のリレーに向けた初期設定

第8章 これまでとこれからの間の創造
1 「建築のリレー」における企画とデザインの関係
2 建築の生死はまちの価値にかかっている
3 これまでとこれからの間にある創造

あとがき、注、プロジェクトデータ

著者:宮部浩幸

出版社:学芸出版社

サイズ:四六

ページ数:224

発行年:2025.11