建築家 浦辺鎮太郎の仕事 倉敷から世界へ、工芸からまちづくりへ

大原美術館分館や倉敷国際ホテルなど、実業家・大原總一郎と共に倉敷の伝統・風土と対話し、地域主義を実践した初期。そして晩年、横浜での仕事に代表されるポスト・モダン時代の自在な造形まで。約300点に及ぶ実作から主要37作品を厳選し、初公開図面やスケッチ132点も収録。身の丈にあう建築を求め続けた建築家の全軌跡。英訳も全文収録。

■目次

・浦辺鎮太郎と倉敷と大原總一郎　大原謙一郎

・知られざる浦辺鎮太郎の建築　藤森照信

・市民のための建築を求めて　松葉一清

・クラフトとインダストリーをつないで　松隈洋

序章 営繕技師としての出発　1934-1950

　営繕技師を志すまで　京都大学の師弟交友関係から　松隈洋

　デュドックへの思い　笠原一人

　薬師寺主計との出会い　上田恭嗣

　1953 年ノート　西村清是

第1章 倉敷に根ざした地域主義の実践　1951-1963

　二代続けた倉敷のまちづくり　上田恭嗣

　浦辺鎮太郎と工業化　花田佳明

　異なるモノをつなぐ対話的感性　竹原義二

・日本基督教団西条栄光教会（礼拝堂・牧師館・西条栄光幼稚園）

・倉敷考古館増築

・旅館くらしき・珈琲館

・プレファブ住宅 PH-1

・倉敷レイヨン岡山第2工場

・倉敷レイヨン高槻アパート（RC-60 型）・独身寮

・日本工芸館

・石井記念愛染園女子単身者住宅・保育所

・石井記念愛染園愛染橋病院

・京都航空ビル

・大原美術館分館

・倉敷国際ホテル

・倉敷ユースホステル

・浜幸ビル

・両備バス西大寺ターミナル

第2章 倉敷モデルの展開から転換へ　1964-1974

・モダニズムと「日本」　浦辺鎮太郎建築の葛藤と位置　重村力

・倉敷のまちが浦辺から受け継ぐもの　楢村徹

・残された浦辺精神の現在　西村清是

・東京造形大学

・西条市立郷土博物館東予民芸館（現・愛媛民芸館）

・東京女子大学研究本館1・2号館

・倉敷レイヨン中央研究所（現・クラレくらしき研究センター）

・倉敷文化センター（現・倉敷公民館）

・西鉄グランドホテル

・倉敷商工会館

・倉敷市水道局庁舎（現・倉敷市立自然史博物館）

・倉敷市民会館

・倉敷アイビースクエア

第3章 ポスト・モダン時代の自在な造形　1970-1984

・浦辺さんとポスト・モダニズム　松葉一清

・庁舎建築から見る浦辺鎮太郎　笠原一人

・都市デザインの横浜と浦辺の関わり　曽我部昌史

・千里阪急ホテル

・紀伊風土記の丘松下記念資料館

・黒住教新霊地神道山大教殿

・倉敷市庁舎

・倉敷中央病院

・倉敷駅前再開発東ビル・西ビル

・三州足助屋敷

・六高記念館

・日本女子大学成瀬記念館

・大佛次郎記念館

・横浜開港資料館

・神奈川近代文学館・霧笛橋