木造住宅の耐震設計 リカレントな建築をめざして
「木造」はリカレント性(循環・再生)の面で優れており、将来的にも豊かな可能性を秘めていますが、耐震性を考えた場合、現状は安全性が十分とは言えません。本書では、在来軸組構法の建物を対象として、耐震安全性についての考え方、現状の問題点や解決策について述べるとともに、「仕口ダンパー」による耐震設計・補強法を具体的に提示しました。仕口ダンパー(制震ダンパー)による補強法は「限界耐力計算」や実験に裏づけられたもので、しかも施工が容易で経済的なすぐれた工法です。本書はこれらのことを、実務者だけでなく一般の方々にも理解していただけるように、できる限り分かり易い言葉で説明してあります。
■目次
・序章 耐震セーフティネット
社会的セーフティネット/木造住宅のセーフティネット/構造的職能の将来像
・第1章 阪神大震災からの出発
構造設計のパラダイム/共通語の獲得へ向けて/構造設計と性能規定/地震風土と耐震設計/次のビッグ・ワンが来る前に
・第2章日本の伝統的な構法
日本の風土と木造軸組/伝統的な木造軸組の構造的特徴
・3章 木造住宅の耐震性能と構造規定
建築基準法と構造規定/耐震設計の基本/耐震性能の評価法
・第4章 木造住宅と制震ダンパー
木造軸組の制震補強/仕口ダンパー/仕口ダンパーを用いた木造住宅の耐震補強/仕口ダンパーの実績と普及
・第5章 限界耐力計算を用いた木造住宅の耐震設計および耐震診断・耐震改修指針
一般/限界耐力計算/耐震診断/耐震改修設計/チェックリストとレビュー
・終章 リカレント建築を目指して
循環システム/リカレント建築/リカレント建築の将来像
・索引
著者:樫原健一、河村廣
出版社:技報堂出版
サイズ:A5
ページ数:269
発行年:2007.04
