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ヨコとタテの建築論 モダン・ヒューマンとしての私たちと建築をめぐる10講

セール価格 2,970円(税込)

■特典 本書所収の「抜き書きノート」の追補版小冊子(おかわり版)付。

建築家は家屋の海原の中に聖堂をつくる。ヨコの広がりの内に、タテの力が働く場をつくり出そうとするのですー(本書より)

当たり前をじっくり考え直すこと、学び直すこと。

私たち=現生人類の本性に立ち返り、建築の思考をいきいきと語る。

相似の海としての「建物」の広がりから、「建築」はいかに世界と未来の幻視を立ち上げるか・・。

東京藝術大学大学院での講義から生まれた出色の入門書。

■目次

第1部 ヨコとタテ ヒトは世界を組み上げる(モダン・ヒューマン論)

・第1講 互換と累進 モダン・ヒューマン、その力のぎこちなさ

 アナロジーの曲芸/自他に橋を架ける/不気味な累進性

 互換性の思想/ぎこちなく世界へ

・第2講 形態と内容 地上の幻

 生き続けるデコル論/相似と類似、イメージとコトバ

 むしろ「ふさわしい」こと/幻視絵画の窓/そこは相似の海だった

・第3講 相対と絶対 数と幾何学の魔法

 逆立ちが起きる/「1」はのぞく、なぜなら・・/拘束と自由

 数の相対性と絶対性

第2部 ヨコにひろがる沃野 ありふれて、美しい(ビルト・ティシュー論)

・第4講 類型と組織 都市という織物の単位と積層

 都市組織論と建物類型論/類型は少ないほどよい

 モダン・ヒューマンの都市の建物/組織とは何か

 都市の記憶/都市的事物

・第5講 自然と人工 なること/つくることは不思議な関係

 構法の類型学/工作から組織へ/進化のエージェント/自然と人工

・第6講 平衡と進化 わたしたちは想念のなかで都市建築を分解する

 かたい/やわらかい/あり方と動き方/平衡と進化

 分解の宇宙/時間のカタチ

第3部 タテはいかに可能か バラバラな世界に(アーキテクト論)

・第7講 饒舌と沈黙 喧騒のなかのサイレンス

 19世紀ジャングル 社会の誕生/異形の都市と想像の共同体

 内容のインフレーション/ポチョムキン都市/亡霊都市/バラバラゆえに

・第8講 過去と未来 世界が壊れ、組み変わっていくとき

 前講のおさらい/過去の終わり/過去から未来を見通す 大理論の時代

 未来の幻視 人間身体そのものの更新/伝統からの反転

 伝統の創造/やっぱり世界はバラバラ

・第9講 単純と複雑 多元的な世界をそのままに

 Bでもあり、13でもあり アンビギュイティ

 透明性 見えないものを見せる知覚の働き/ブリコラージュ/詩的言語

 コーリン・ロウによるガルシュ/都市へ、社会へ

結語

・第10講 能動と受動 むすびにかえて

 海に潜るように/能動と受動だけではない/スピノザの外態と内態

 都市・建築のリアリズム再論/創作行為と内態(中動態)

 第1の社会性 巻き込みと成長/第2の社会性 開かれと堆積

 第3の社会性 虚構すなわち幻視を

・抜き書きノート

著者:青井哲人

出版社:慶應義塾大学出版会

サイズ:四六

ページ数:304

発行年:2023.01