力学・素材・構造デザイン
構造設計者および建築家が知っておくべき建築構造形態に関する、幾つかの「かんどころ」について力学的な視点からの分析を行い、簡単な例題とそれを応用した歴史的建物から現代の建築例を紹介しながらレビューしようとするもの。
本書は、興味のある章から開くことが出来、また各章からは見知った建築や構造が個別の力学特性や素材特性によって成り立ち、それを表現するさまざまな理論によって把握し得るということが理解できる。
■目次
・第1章 坪井善昭
「素材と空間構造デザイン コンクリートによる構造フォルムの変質」
空間構造の発展の要因/鉄筋コンクリートの黎明 ほか
・第2章 川口衛
「構造デザインにおけるスケールの概念」
スケールの概念がなぜ必要か?ガリレオの警告
エンジニアリングの歴史における2乗・3乗則 ほか
・第3章 川口衛
「空間構造における力の流れと、支え方のデザイン」
歴史的展望 シェルとサスペンションの対比
シェルの古典理論と支え方 ほか
・第4章 佐々木睦朗
「RC自由曲面シェルの構造デザイン」
古典的シェルから現代的シェルへ
RC自由曲面シェルの形態デザイン ほか
・第5章 大崎純
「経験的造形と最適形状」
構造形態と力学特性/最適化手法と感度解析法 ほか
・第6章 植木隆司
「幾何学的曲面を用いた立体骨組構造の形態」
日本初の立体骨組構造の形状
日本初のラチスシェル構造の形状 ほか
・第7章 竹内徹
「幾何剛性を利用した構造デザイン」
ラ・ビレットのガラスの箱/アーチ・シェルの座屈 ほか
・第8章 河端昌也
「外荷重に対峙する膜構造の形態」
膜構造の形態/膜面の製作 ほか
・第9章 川口健一
「可変構造・展開構造の発想と実用化」
可変構造・展開構造の広がり/可動・展開構造の解析理論 ほか
・第10章 金箱温春
「木質ハイブリッド構造による空間構造」
木質部材の強度と接合部特性
純木質構造と木質ハイブリッド構造の部材と接合部の比較 ほか
・第11章 坪井善昭
「空間構造デザインの原点 トロハと坪井の設計思想」
エドアルド・トロハの設計思想/坪井善勝の設計思想 ほか
著者:坪井善昭、川口衛、佐々木睦朗、大崎純、植木隆司、竹内徹、河端昌也、川口健一、金箱温春
出版社:建築技術
サイズ:B5
ページ数:215
発行年:2012.01
