
木造建築の構造 阪神・淡路大震災から現在まで
1995年1月に起きた阪神・淡路大震災では、木造住宅は甚大な被害を受け、それを契機に木造住宅の耐震性の向上を目指し研究が進められた。
本書は、その研究の中心的な存在として活躍し続ける著者が、2000年の改正建築基準法の規基準の根拠、および中大規模木造建物の構造設計の手法など、1995年から25年にわたって研鑽を積み重ねてきた研究の成果をまとめたもの。木質構造を志す初学者、ならびに木質構造を設計する実務者にとって理論と実務設計を理解することができる。
■目次
I 木造住宅構法の変容
軸組構法住宅の変遷と今後
各部構法の変容
構法の変遷と構造性能
II 木質構造の基礎
建築年代による木造住宅の耐震性能
兵庫県南部地震から10年 木質構造の流れ
熊本地震と木造住宅の耐震性能
III 木造住宅の地震被害と耐震診断
阪神・淡路大震災での木造被害
木造住宅の耐震改修の考え方
木造住宅の耐震性 耐震改修のすすめ
IV 木造住宅に係る制度
建築基準法施行令・品確法の概要
2000年改正仕様規定の概説
品確法の構造設計とその意義
木造軸組住宅の構造計算ルート
長期優良住宅制度の概要と役割
V 木造住宅・木造建築の構造性能の考え方
・木材
木質系材料の本質を知る
・壁量設計
木造住宅の仕様規定の課題
木造軸組住宅の構造設計の現状と課題
・構造計算
木造住宅の構造計算の考え方
木質ラーメン構法の設計
・木造建築の靱性設計
木造の保有水平耐力計算の可能性
VI 実大振動台実験
振動台実験を読み解くための基礎知識
実大振動台実験と木造住宅
多度津振動台における軸組構法木造住宅の実験
VII 伝統的木造建築の構造設計
伝統的木造建築の構造特性と計画
伝統的木造建築の設計法構築のために
伝統的構法と設計
いわゆる「石場建て」について
VIII 中大規模木造の隆盛
広がる木造建築物の可能性
公共建築物等木材利用促進法と中大規模木造
中大規模木造建築の普及のために
中大規模木造をめぐる最新の動き
中大規模木造の動向とその技術
中大規模木造と混構造建築
著者:大橋好光
出版社:建築技術
サイズ:A5
ページ数:350
発行年:2020.12