
環境建築私論 近代建築の先へ
「環境」というキーワードは、近代化された生活やその背景にある技術を見直す糸口となる。環境というキーワードのもとで近代建築の見直しは、形や色だけの話ではなく、平面計画やファサードの構成、材料・工法、さらにはその中での人の振る舞いにまで影響が及ぶ。本来「環境」というテーマが扱うべき分野は、横断的で多岐にわたり、一分野の枠内には収まらない。建築においては、「環境」という概念がずいぶん矮小化されている。本書では、環境という言葉をキーに、社会の中での建築のあり方、建築デザインの可能性を広く考えてみる。
建築はどこへ向かおうとしているのか。あるいは向かうべきなのだろうか。環境という視点から、建築の行く末を考えてみよう。
■目次
・プロローグ
・内部構造から外部環境へ
プラモデル住宅、アシタノイエ
・精密機械からルーズソックスへ―機能主義とフィット感
コトリノイエ、戸田市立芦原小学校
・ハイエネルギーからローエネルギーへ―均質空間とローカリティ
Nomadic Life on Energy Geometry
・シャープエッジから滲んだ境界へ―サステナビリティと耐久性
Ti02、鴻巣市文化センター、港南区総合庁舎
・メガからコンパクトへ
ZEH VILLAGE、横浜市寿町健康福祉交流センター/横浜市営住宅寿町スカイハイツ
・パッシブからレスポンシブへ
LCCM住宅デモンストレーション棟
・隔離・断絶からオーバーレイへ
横浜市寿町健康福祉交流センター/横浜市営住宅寿町スカイハイツ
象の鼻パーク/テラス、メガタ、宇城市立豊野小中学校
・細分化からインテグレーションへ
千葉市美浜文化ホール/保健福祉センター
・ウイルスからワクチンへ
・エピローグ
著者:小泉雅生
出版社:建築技術
サイズ:A5
ページ数:164
発行年:2021.04