岡山・広島圏の建築家と建築
地域の建築家の活動拠点となっている岡山市と広島市。この2都市からの視野の範囲にある地域を岡山・広島圏としました。県境を超えて瀬戸内海の島々や山口県西部を圏域に含んできます。
岡山圏と広島圏の2部構成とし、それぞれに組織された地域の建築家ほかによる編集委員会が、収録作品、ColumnとEssayのテーマと執筆者、地域を拠点とする建築家による円卓会議Roundtable Discussionの参加者ほかすべての選定にあたりました。各作品の解説は、編集委員と編集委員が教える大学の学生が執筆しています。
Mapには305項目のすべての収録作品のほか、その他の見るべき作品が竣工年と建築家とともにプロットされています。40万分の1の全体図から5千分の1の街路図までの64点のMapは、建築を訪れる際のガイドとなるとともに、建築の背後に広がる風景をイメージさせるものとなるでしょう。
そして、この地が日本の戦後モダニズム建築の重要な起点であったことを、巻頭の「地域の建築文化をつくるもの」は伝えています。
■目次
・巻頭文 地域の建築文化をつくるもの 瀬戸内建築文化圏の中の岡山・広島 松隈洋
・【岡山圏の建築家と建築】
Roundtable Discussion 地域を拠点とする建築家による円卓会議・岡山
和田優輝、高吉輝樹、片岡八重子、佐藤正平、山田曉、楢村徹
Interview 地域に生きる建築家像 倉森治
・岡山圏の建築
・Column
01 建築家・彫刻家による詩碑・歌碑、そして制作の背景 山田孝延
02 倉敷のまちづくり、美観地区の整備 山田曉
03 CTOが残したもの 江端恭臣
04 児島の元塩田干拓地と都市の形成 山口晋作
05 ベネッセアートサイト直島と島の建築 増田俊哉
06 日本の工業化・軍事化を支えた瀬戸内海 西川博美
07 牛窓 朝鮮通信使から現在まで 前田昌弘
08 津山のまちなみ 山名千代
09 高梁と吹屋 田村啓介
10 岡山国際交流ヴィラ 江端恭臣
・Essay
01 岡山都市史概説 山田孝延
02 岡山県工師江川三郎八と「江川式」築 清水重敦
03 薬師寺主計と浦辺鎮太郎 上田恭嗣
04 岡山の建築家の系譜 山田孝延
05 建築家のしごと展 平野毅
【広島圏の建築家と建築】
Roundtable Discussion 地域を拠点とする建築家による円卓会議・広島
村上徹、小川晋一、藤本寿徳、三分一博志、前田圭介
Interview 私の「住まい・まちづくり」への挑戦 藤本昌也
・広島圏の建築
・Column
01 記憶の中にあり続ける平和記念公園 土井一秀
02 被爆建物 保存することの意味とその役割 杉本俊多
03 広島城と広島の都市形成 三浦正幸
04 田中清 第一世代の広島派 中薗哲也
05 呉の海軍建築 光井周平
06 広島型建築プロポーザルと学生チャレンジコンペ 吉田豊
07 尾道のまちなみと空き家再生の歩み 渡邉義孝
08 しまなみ海道の建築を巡る 高田真
09 鞆のまちなみとまちづくり 前田圭介
・Essay
01 瀬戸内のまちと舟運 樋渡彩
02 戦前期における広島圏の建築家と建築 石丸紀興・李明
03 戦後復興期における広島圏の建築家と建築 石丸紀興・李明
04 広島と丹下健三・村野藤吾 杉本俊多
05 広島派への四半世紀 澤登宜久
06 ネオビンゴ──福山建築家の25年 藤本寿徳
著者:
出版社:建築技術
サイズ:A4変
ページ数:352
発行年:2025.12
