いえづくりをしながら考えたこと。
本書は、全国屈指のセルフビルダー(これまで3棟を自力建設)である著者が、これまでのいえづくりの経験を通じて得た、「住まい」、「暮し」、「家族」に関する考え方をまとめたものである。簡潔な本文に加え、メッセージを示唆する意味深なコラージュ作品を多用した、美しい装丁の作品である。メッセージとアートワークを交互に眺めているうちに、「大切なのはHouse(器)でなくHome」だとする著者の思想に深く感化されることだろう。
■目次
・はじめに
・1. HouseとHome-何のために家を作るのか-
人々が必要としているのはHomeである。Houseはそれを入れるための容器に過ぎない。
・2. 素材と人材-何を使って家を作るか-
大昔から先人達は身近にある物を工夫して家をつくってきたが、現代に生きる我々に天が与え賜うた素材は「ゴミ」であった。
・3. 商品と職人-誰が家を作るのか-
自分で食を得、衣を紡ぎ、住を建てる!暮しに必要な全てのことを、自分自身でこなすのが人間本来の生活であったはずだ。
・4. 離職と汎職-ドロップアウトのすすめ-
当たり前だと思っていた日常に見切をつけよう。遮眼帯(競走馬用の眼帯)を取り去れば世界ははるかに広くなる。
・5. 家づくりと巣づくり-セルフビルドのすすめ-
現実的な手段でなければ、現実の殻は破れない。組織社会と決別して、自ら安息の地を創り出そうではないか。
・6. Art(技術)とArt(芸術)-しなやかに生きるために-
何者でもない個人が、自らほっする物を自らの手で創り出す。それこそがArtなのだ!
・おしまいに
著者:縄文人、菱刈俊作、絵
出版社:エクスナレッジ
サイズ:205×135
ページ数:275
発行年:2002.04
