建築家 大高正人の仕事
千葉県文化会館、多摩ニュータウンマスタープランの仕事などで知られる大高正人。設計思想を含めた全仕事を紹介する。
■目次
・はじめに 槇文彦
・0 今見る、大高正人の仕事
広島基町・長寿円団地/千葉県文化会館・聖賢堂・千葉県立中央図書館
花泉農協会館/栃木県庁舎議会棟/坂出人工土地
多摩ニュータウンセンター地区・ペデストリアンデッキ
多摩センター駅前広場・ペデストリアンデッキ
南多摩ニュータウン自然地形案/群馬県立歴史博物館
千葉県立美術館/みなとみらい21/三春交流館・まほらホール
三春町歴史民俗資料館・自由民権記念館
・1 都市編
論考1 地生えで都市と農村の未来を先取りした建築家、大高正人 蓑原敬+中島直人
第1章 大高正人という人
大高正人はなぜ謎に包まれているのか/大高正人の生き様
大高正人と三春、大高家のルーツ
第2章 建築から都市・農村へのアプローチ
「輝ける都市」の幻想/前川事務所でのユルバニスムの探求
世界デザイン会議と群造形/都市再開発モデルとしての坂出人工土地
広島・基町・長寿園団地と建築家の使命/農協建築と農住都市構想
第3章 都市デザイン、実現の現場と過程
都市デザインの実現に向かう隘路/日本住宅公団と多摩ニュータウン
横浜・みなとみらい21/故郷、三春のまちづくり
第4章 未来の先導者、大高正人
改革者であり続けた大高正人/群造形/人工土地という考え方
都市と自然、農村に関わる問題
「大高都市デザイン」の方法論とその背後の思想/個人的あとがき
・2 記録編
大高正人の仕事12章
1 前川事務所時代
福島県教育会館/分離と展開のために/建築の地方性/生活の歴史を映すもの
東京晴海町の高層アパート/都市設計の提案/官庁営繕か民間事務所か
東京文化会館おぼえがき/「東京文化会館」以後
2 群造形
新宿副都心計画(槇文彦と協働)/大手町人工土地計画
新しい都市/理由なき高さ制限/群造形へ/都市再開発の原型
輝く明日の住居 機械時代に蘇る人間的なもの 4つの提案
3 機械的空間・人間的空間/都市環境
千葉県文化会館/特集大高正人1961-1967序文
建築における基礎的な諸条件
メタボリストたちと学んで始めた日本の街づくりと建築
千葉県文化会館の頃 横山敏夫
4 人工土地
坂出人工土地/人工土地で都市を再開発
坂出人工土地計画の意味するもの 藤本昌也
5 農村計画・農協建築
花泉農協会館/片岡農業協同組合
これからの農協建物の設計/農村計画
コミュニケーション・ホールを中心に置く/農村と私
花泉農協会館から 横山敏夫
6 テクノロジーと建築
千葉県立中央図書館/栃木県庁舎議会棟
日本万国博覧会中央ゲート/日本大学生産工学部図書館
この自由さ、この耐力、この量/コンクリートによる現代建築の表現
PAUをも求めて/群の秩序/建築における創造性について
ディテールを考える 野沢正光
7 超建築へ/広島基町・長寿園団地
広島市基町団地・広島県長寿園団地/超高密度住宅空間を求めて
都市生活環境と建築家の役割/構成部材、部品化の意味と目的
広島市基町高層住宅団地 藤本昌也
8 都市土木デザイン/自然地形案
多摩ニュータウン駅前広場・ペデストリアンデッキ
多摩ニュータウン南大沢駅前広場・センターペデストリアンデキ
新しい住環境の探求(対談:大高正人・内井昭蔵)
ランドスケープのデザイン手法 藤本昌也
都市土木におけるデザイン 中尾明
9 傾斜屋根への志向
群馬県立歴史博物館/千葉県立美術館/筑波新都市記念館
洞峰公園体育館/福島県立美術館/独断の理由
「前に向かって、後ろを見る」ことについて
群馬の美術館と博物館と/屋根・石・瓦
建築における近代主義と伝統主義
「風土」へのまなざし 中尾明
10 都市デザインへの挑戦
みなとみらい21/横浜博覧会/国際科学技術博覧会
「科学万博つくば85」の会場計画/横浜博覧会について
みなとみらい21のビジョンは「船の行きかう公園都市」
建築と人間の関係を融和させる 中尾明
「実験都市」としての博覧会 中尾明
11 まちづくり/三春町の実践
三春町まちづくり・三春交流館/まほらホール
三春町歴史民俗資料館・自由民権記念館/三春町民体育館
三春町ダム周辺修景/メタボリストたちと学んで始めた日本の街づくりと建築
地域の風景となる建築をつくる(対談:大高正人・渡辺定夫)
三春のまちづくり/三春町んお新しい学校づくりにかけた情熱
12 われわれは何をめざし、何をやってきたか
島根県川本町元・本町地区再開発計画/近代的コンペと建築家の姿勢
われわれの事務所のあゆみ/再び記念性を/「無伴奏狂奏曲」の終焉を
近代主義の終焉/最近の10の設計/みどりと彫刻のみち
青春の輝きが残った 木村俊彦追悼特別寄稿
・3 建築編
論考2 生活世界を構築する 大高正人の求めたもの 松隈洋
序章 建築家を志すまでの軌跡
はじめに/戦時下の青春/戦争で二分された大学生活
ル・コルビュジエ、そして前川國男との出合い/戦後的な明るさの時代へ
第1章 前川國男のもとで 住宅問題から都市へと向かう歩み(1949-1961)
前川國男建築設計事務所への入所/担当した仕事の中で考えたこと
住宅問題の解決と建築の工業化という課題/テクニカル・アプローチの試み
コンクリートによる造形表現の模索/集まって住むこと、都市への眼差し
土木的スケールと人間的スケールとの共存/建築は都市を形づくれるのか
第2章 大高建築設計事務所の仕事 建築から都市へ(1961年~)
出発点にあったもの/同時代への挑戦と離脱/都市スケールの群造形をめざして
プレファブリケーションによる建築の工業化の追求
農協建築に托した農村都市のユートピア/人工土地構想への取り組み
「超建築」による都市の構築/屋根の造形による風土的建築の実現
三春に結実した地域主義の建築と風景
生活環境をかたちづくる 社会共通資本としての建築をめざして
・「大高正人へのインタビュー」 プロジェクト・ジャパン収録
ハンス・ウルリッヒ・オブリスト+太田佳代子
・大高正人年表
大高正人の仕事 プロジェクト・データ
・あとがき 藤本昌也
著者:蓑原敬、松隈洋、中島直人、「建築家大高正人の仕事」 編集委員会
出版社:エクスナレッジ
サイズ:A4
ページ数:328
発行年:2014.02
