国宝級 古建築の意匠 蟇股(かえるまた)
飛鳥時代、仏教文化とともに伝来した大陸の建築技術は建築意匠の蟇股も一緒にもたらした。蟇股は虹梁などの水平材の上におく化粧材で構造材からうまれた。”かえる”が股をひろげたようなかたちなのでこの名がある。かえるのなかでも蟇蛙(ひきがえる)、蝦蟇(がまがえる)である。華麗豪壮な木造建築でピークをきわめた建築意匠の蟇股も、建築様式の激変にはさからえず、遂に一つの文化として我々の前から過ぎ去って行こうとしている。この写真集は発生から頂点をきわめるまでの、小さな建築意匠の記録である。
著者:土谷壽一
出版社:相模書房
サイズ:285×225
ページ数:75
発行年:2000.05
