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アーツ・アンド・クラフツと日本

セール価格 3,190円(税込)

19世紀後半から20世紀初頭にかけてイギリスで繰り広げられたアーツ・アンド・クラフツ運動は、ヨーロッパ大陸でアールヌーヴォーやユーゲントシュティールなどの新様式を誘発しながら広がっていった。専ら鑑賞を念頭に制作される美術工芸とは異なる「生活」のための工芸運動であり、また社会改革をめざすデザイン運動でもあった。このアーツ・アンド・クラフツ運動と日本との関わりをさまざまな視点から論じ、デザイン・工芸・美術・社会・産業・環境・生活などの立体的な関係を考察する一助とする。

・序文 アーツ・アンド・クラフツ運動と日本(藤田治彦)

・第一部 ウィリアム・モリスと日本

ウィリアム・モリスと明治の日本(藤田治彦)/大槻憲二とモリス誕生百年祭(川端康雄)/モリス生誕百年記念協会と「モリス記念論集」(西村美香)/日本から見たアーツ・アンド・クラフツ運動とドイツ工作連盟-明治・大正期の美術工業論を中心に(藪亨)

・第二部 民芸運動とその周辺

柳宗悦の二つの関心 美と社会、そして朝鮮(竹中均)/青田五良と上加茂民藝協団(小谷二郎)/柳宗悦と日本民藝館(三村京子)/富本憲吉の小藝術(樋田豊次郎)/アーツ・アンド・クラフツ運動から民芸運動へ バーナード・リーチの寄与(鈴木禎宏)/濱田庄司と地域社会(濱田琢司)/壽岳文章の書物工芸(西村美香)

・第三部 芸術と生活

「自邸」の変容 西村伊作による「生活」の「芸術化」の試み(水沢勉)/森谷延雄におけるアーツ・アンド・クラフツ的志向の背景(神野由紀)/宮沢賢治と羅須地人協会(川端康雄)/W・M・ヴォーリズのミッション・ユートピア(山形政昭)

・第四部 社会改革

セツルメント運動と日本(藤田治彦)/ギルド社会主義と日本(中見真理)/コラム ハル・ハウス労働博物館(ペギー・グロワーキー)

・第五部 アーツ・アンド・クラフツ運動と日本の造形教育

東京美術学校と日本美術院(藤田治彦)/京都高等工芸学校 黎明期の図案・工芸教育に糧を与えたアーツ・アンド・クラフツ図書原簿をひもといて(橋本優子)/東京高等工芸学校とアーツ・アンド・クラフツ 宮下孝雄と森谷延雄を中心に(森仁史)/大正の自由主義教育 文化学院の「アーツ・アンド・クラフツ」運動(植野比佐見)/大正の自由主義教育 自由学園(塚田耕一)/「アーツ・アンド・クラフツ運動と日本」関連年表(編集事務局・猪谷聡)/人名索引/英文要旨

著者:デザイン史フォーラム

出版社:思文閣出版

サイズ:A5

ページ数:288

発行年:2004.10