関西モダニズム再考
国際日本文化研究センター共同研究「日本のモダニズム 関西を中心にした学際的研究」の報告書。20世紀初頭の日本では、「東京都市文化圏」と「大阪・京都・神戸都市文化圏」という全く異質の「都市文化圏」の競争的共存が実現した。関西都市文化圏の経済的・社会的・文化的先進性や、地域に根ざした自立的なモダニティの上に花開いた関西モダニズムの諸相をとりあげた14篇。
■目次
I
・「阪神間モダニズム」の社会的基調 竹村民郎
・琵琶湖疎水のモダニティ 初期電気事業における先見性 金子務
・平生釟三郎日記に見る関西のモダニズム 松井朔子
・前川國男と日本近代建築 松隈洋
・大衆女性雑誌における競合的消費主義 バーバラ=佐藤
II
・歌人前川佐美雄の場合 高橋睦郎
・梶井基次郎「檸檬」に見る大正末・モダン京都 中河督裕
・大阪におけるカフェ文化と文藝運動 増田周子
・関西「マヴォ」について-牧寿雄と「マヴォ」関西支部 五十殿利治
・築地小劇場と関西新劇運動-ドイツ表現主義からの影響を中心に- 依岡隆児
・関西モダニズムと西洋体験 画家たちとその周辺-1900-1933年- 稲賀繁美
・橋本関雪とアジア 西原大輔
・阪神間モダニズムにおける大衆文化の位相-宝塚少女歌劇と手塚治虫の漫画に関連して- 竹村民郎
III
・モダニズムと伝統、もしくは「近代の超克」とは何か 鈴木
・おわりに 鈴木貞美
・索引/執筆者一覧
著者:竹村民郎、鈴木貞美
出版社:思文閣出版
サイズ:A5
ページ数:573
発行年:2008.01
