日本庭園像の形成
「日本庭園」は西洋でどのように理解され、解釈されたのか、そして日本はそれに対してどのように反応したのか。19世紀末から20世紀初頭の欧米人の日本庭園論、それへの日本人の反応、という両者の「往還」を丁寧にたどり、1930年代に至って日本庭園の「独自性」が規定されていく過程を追う。
■目次
序章 「日本庭園」に注がれる西洋からの眼差しと日本側の応答
「日本庭園」の概念規定/研究の対象/本書の構成
第一章 ジョサイア・コンドルの日本庭園論
はじめに/コンドルの日本庭園論
コンドルの日本庭園論に対する国内の反応/おわりに
第二章 日本の庭と欧米人の眼差し
はじめに
モースのみた日本の庭 「観察」に基づく生活文化のなかの庭
ラファージの見た日本の庭 「日常性」と「装飾性」
チェンバレンとハーンの日本の庭理解 コンドルとの関係性を通じて
おわりに
第三章 欧米における日本庭園像の形成と原田治郎のThe Gardens of Japan
はじめに/原田治郎の略歴/原田治郎の日本庭園論
原田治郎の画像の特徴 写真のなかの日本庭園
原田治郎の及ぼした影響 国外と国内のギャップ
おわりに
第四章 庭園をめぐる一九三〇年代の言説空間
はじめに
明治期の庭園/ジョサイア・コンドルと小川治兵衛
庭園教育と研究環境の確立へ
欧米からの眼差しへの「自覚」の芽生え 予兆としての一九二〇年代
「欧米人」には理解できない「日本庭園」 一九三〇年代へ
アメリカン・ガーデン・クラブの来日
「国際性」と「独自性」の相克
おわりに
第五章 日本庭園像の形成 「独自性」と「芸術性」の確立へ
はじめに /日本庭園の理解をめぐって
背景としての一九三〇年代/一九三〇年代に形成される日本庭園像
おわりに
最終章 西洋における日本庭園論のパラダイム・シフト
西洋からの眼差しと日本側の応答
西洋における日本庭園論のパラダイム・シフト
日本庭園像のゆく
おわりに
著者:片平幸
出版社:思文閣出版
サイズ:A5
ページ数:240
発行年:2014.06
