茶と室内デザイン
日本にもたらされた喫茶文化は、室町時代の書院造に収斂され、やがて大名居館に発展すると、一方で侘び茶による草庵風茶室が生まれる。 草庵風茶室は書院造に影響し、数寄屋風書院造になり、和風住宅が設立する。その後、江戸時代の煎茶の流行によりさらに特徴的なデザインが加わり、新しい和風住宅の室内意匠がつくられた。
このように、日本的とされる日本住宅の室内デザインはほとんどが茶によって育まれた。茶が日本住宅の室内意匠にあたえた影響について、それぞれの専門の立場からの論考を収録し、豊富なカラー図版とともに、茶道と室内デザインの関係性を考える一書。
■目次
・煎茶と室内デザイン
煎茶席の意匠的特質 麓 和善
「煎茶的」と言うこと 小川後楽
煎茶と唐木家具 小泉和子
黄表紙挿絵に表された唐風趣味―安永期から天明期の作品を中心に― 鶴岡明美
十八~十九世紀朝鮮における茶亭とその家具 西垣安比古
・侘数寄と室内デザイン
茶室―建築と道具の間― 熊倉功夫
茶室の建築と意匠 矢ヶ崎善太郎
私の茶室像 藤森照信
侘数寄の茶と指物 小泉和子
著者:小泉和子
出版社:思文閣
サイズ:B5
ページ数:221
発行年:2015.06
