ホーム 京都 近代の記憶 場所・人・建築

京都 近代の記憶 場所・人・建築

セール価格 2,420円(税込)

京都はよく「千年のみやこ」と言われる。確かに平安京ができて千年以上たつ都市である。しかし、平安京の姿そのままの遺構など実はどこにも残されていない。 東京遷都により没落の危機に見舞われ、都市改造や近代建築の導入に積極的に取り組む一方で、まさに生き残りを懸けて「千年のみやこ」を演じてきた街、京都。いまある京都の魅力はいつ、どのように作られたのか? 「歴史都市」の近代化の過程で生まれたさまざまなエピソードを、場所・人・建築をキーワードとして写真とともに綴る。

■目次

はじめに―近代の記憶が詰まった都市―

I 近代化の舞台となった岡崎

 近代化を可視化した琵琶湖疏水/工場用水から日本庭園の水へ

 西洋式洞窟/博覧会を契機として成立した歴史都市

 財閥が彩る住宅文化/祝意を示す場

・II 場所と空間・建築

 芸術が町を作る/建築博覧会となった同志社キャンパス

 スパニッシュと赤銅御殿/御旅町の新様式/テーマパークだった銭湯

・III 歴史と空間・建築

 公家の街から御苑へ/小学校が語る町衆の近代/太鼓楼が伝えた近代

 校舎は町のシンボル/土地区画整理が作る街/京電の痕跡

・IV 街に寄り添う様式

 武徳殿が発信した「国風」/仏教寺院による洋風の受容/東洋趣味の近代デザイン

 スパニッシュの波及/銀行建築の威厳/看板建築/町家の近代化

・V 京都モダニズム

 町中へ拡がる近代/街を彩ったスクラッチ・タイル

 古書店に残る「モダニズム」/逓信省の前衛

 コンクリートの家/京都モダン

・VI 基督教の文化

 キリスト教がやってきた/英国がそのまま京都へ

 米国メリノール会による教会堂建設/木造新技術の教会堂

・VII 近代を駆け抜けた建築家

 武田五一が仕掛ける意匠/武田五一マニアとは/歴史都市にふさわしいデザインとは

 求められる都市デザインの監修者/建築のプロトタイプを作った建築家

 台湾総督府技師の橋/二人の土木技師/様式を自在にあやつるヴォーリズ

 モダニズムの実践者・富家宏泰

・VIII 保存と演出

 東山は禿山だった/都市空間の再編と祝祭空間/都市美の発見

 橋梁に見る近代デザインの揺れ幅/景観演出としての嵐山の桜

 五山あて/建築保存の発信地/歴史を「新築」する/近代建築の新たな活用

 守れるか四条烏丸交差点/保存手法の新たな展開

・IX 京都周辺のまち

 煉瓦の町によみがえるトンネル/舞鶴煉瓦倉庫/ホフマン窯

 師団の街/実験住宅/畳敷きの教会堂/元県庁舎/琵琶湖ホテル

・おわりに

著者:中川理

出版社:思文閣出版

サイズ:A5

ページ数:184

発行年:2015.09