
破壊のあとの都市空間 ポスト・カタストロフィーの記憶
フランス革命、世界大戦後のヨーロッパとヒロシマ・ナガサキ、関東大震災、9・11と3・11・・。加害と被害、騒乱と破壊、壊滅と再生の現場としての都市空間は、「あの日のあと」=ポスト・カタストロフィーに何を残したのかを問い直す10人の論考と聞き書き。
■目次
はじめに 熊谷謙介
序章 ポスト・カタストロフィーの都市とは何か
-パリ、ニューヨーク、ヒロシマ、ナガサキ 熊谷謙介
第1章 禁域の効能-欲望喚起装置としての「内裏」と、古代都市平安京の消長
深沢 徹
第2章 瞬間と持続、暴力と審美化の間で
-リスボン大震災からフランス革命に至る時期の廃墟イメージ 小澤京子
第3章 「古きパリ」の誕生-フランス革命後のもう一つの都市再生 泉 美知子
第4章 カタストロフィーを生き抜く
-『風と共に去りぬ』スカーレットとアトランタ 山口ヨシ子
第5章 パリは燃えているか?-パリ・コミューンの廃墟をめぐって 熊谷謙介
第6章 グロテスク・フォトモンタージュ・ニュービジョン
-第一次世界大戦後ベルリンの視覚文化に見る都市と身体 小松原由理
第7章 〈関東大震災〉の記号学-秋田雨雀「骸骨の舞跳」をめぐって 日高昭二
第8章 二十世紀ローマの二つのカタストロフィー(?)
モラヴィアが見たファシズムの崩壊とアントニオーニが見た「奇跡の経済成長」 鳥越輝昭
第9章 〈廃品(ルビ:ジャンク)〉からの創造
-S・ロディアのワッツ・タワーとブラック・ロスアンジェルス 土屋和代
第10章 カタストロフィーを超えて立つ武術家の表象-天安門事件後の徐克と映画
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ 村井寛志
第11章 三・一一後の記録・物語
-小森はるか+瀬尾夏美インタビュー 聞き手:熊谷謙介
著者:神奈川大学人文学研究所、熊谷謙介
出版社:青弓社
サイズ:A5
ページ数:366
発行年:2017.03