大阪万博が演出した未来 前衛芸術の想像力とその時代
1970年に開催され、6000万人以上を動員した大阪万博。これまで見落とされていた総合芸術としての万博の側面に注意を向け、万博と当時の前衛芸術がどのように交差・対立・融合したのかを明らかにして、「未来」を演出した大阪万博の現代的な意義を照らす。
■目次
・序章 大阪万博と前衛芸術を語るために
・第1部 「人類の進歩と調和」 大阪万博の「光」と「影」
光と影、過去と未来 F的想像力が切り取る万博
万博と反博/眉村卓の近未来官僚社会
お祭り広場と『太陽の塔』/万国博を考える会
未来のダークサイド
万博と原子力 アトミウムから『太陽の塔』へ
・第2部 大阪万博の「夢」 未来都市としてのパビリオン
せんい館 「エロスとタナトス」が生成される「環境」
詩人・武満徹と闘将・クセナキス 江藤光紀
万博クラシックと大原立体音楽堂/スペース・シアターと武満徹
万博作曲家クセナキス
ペプシ館 「独自の単一性と全体性」に見るモントリオール万博からの問題継起
一作曲家の想念の宇宙 ドイツ館のシュトックハウゼン
・第3部 前衛芸術のその後
吉原治良と具体美術協会 戦後前衛の最後の花道
評論家と作曲家とプロデューサーと 秋山邦晴の万博
一九七〇年の二つの前衛 大阪万博と「人間と物質」
・曾根幸一氏インタビュー 丹下研究室の一九六〇年代とその前後 聞き手:暮沢剛巳
・一柳慧氏インタビュー アーティストたちとの実り豊かな交流と万博 聞き手:江藤光紀
・あとがき 暮沢剛巳
著者:暮沢剛巳、江藤光紀
出版社:青弓社
サイズ:四六
ページ数:304
発行年:2014.07
