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空間管理社会 監視と自由のパラドックス

セール価格 2,640円(税込)

現代社会に暮らす人々は、今ではごく当たり前に「自由」を享受している。しかし一見すると自由に感じられる場は、実は巧妙に、しかし確実に制限されてはいないだろうか。監視カメラ・プライバシー・遊歩者・コレクティブハウス・メンタルマップ・反日デモ・ネットワーク型社会運動・・。公共空間、居住空間、メディア空間のそれぞれにおいて、現在どのような空間管理が進んでいるのか。これを問題意識の出発点として、各テーマ毎に専門家が議論・分析し、具体的な事例を交えながら、あらためて社会的空間における「自由」とは何かを問う。

■目次

・プロローグ-社会的な空間の現在

・パート1 都市の自由とまなざし

1章 公共空間の快適-規律から管理へ/阿部潔

  快適な空間が呼び起こす「微な違和感」

  監視社会の現在

  監視と「自由」の関係変化

  「自由な空間」と「空間の自由」

  テーマパーク化する社会と「自由」の危機

2章 ストリートの快楽と権力-消費社会のスペクタクル/成実弘至

  スペクタクル化する都市

  ストリート・カルチャー

  少女と都市

  まなざしと身体のポリティクス

  「見せる」と「見返す」

  キーワード I

・パート2 住まいのポリティクス

3章 囲われる空間のパラドックス-分類化する社会/佐幸信介

  生活を囲い込むこと

  集住空間のセキュリティ

  測定される安全/危険

  象徴暴力とコミュニティ

  逆説的な安全の空間

4章 デザインされる空間-視線と集合住宅/小野田泰明

  公共空間における視線

  モデルプランとその一般化

  ダイヤグラムの作動

  自己生成する都市

  空間はどのように設計されるか

  ダイヤグラムの深化と空間的実践

キーワード II

・パート3 メディアの自由と不自由

5章 ネット空間と自由の可能性-繋がりの構造/前田至剛

  不自由な空間におけるネット

  感情の充填されるネット

  ネット空間とは何か

  空間の自由

6章 空間と表象の暴力-自閉する私的空間/田仲康博

  不安の構図

  漂流する私的空間

  監視装置としてのメディア

  排除される記憶

  分断/支配に抗して

キーワード III

・エピローグ-「自由」に向けて

著者:阿部潔、成実弘至

出版社:新曜社

サイズ:四六

ページ数:269

発行年:2006.09