世界遺産と地域振興 中国雲南省・麗江にくらす
地域振興のツールとしての「世界遺産登録」と「観光開発」の可能性と問題点を現地資料や住民の生の声を詳細に分析することで明らかにし、真の地域振興とは何か、そして地域社会がこの諸刃の剣を自律的にコントロールしてゆくための途を考える。
■目次
・第1章 はじめに
「世界遺産」と「地域振興」を再考する/歴史都市の観光開発/麗江という事例の持つ意味
・第2章 世界遺産登録と観光開発
麗江の空間構造と町の歩き方/麗江旧市街地の保護と世界遺産登録/世界遺産登録と観光地化の光と影/新たな保護計画と未来に向けた動き
・第3章 交易と町並み
交易街道と麗江/麗江古城の歴史的町並みとは?/伝統的建造物の特徴/再び麗江古城の歴史的町並みとは?/観光地化に伴う問題/町並みと建築物における変容/観光地化の影響/行政施策と町並み/麗江古城らしい町並みのために
・第4章 伝統民居とくらし
麗江古城の伝統民居/民居の保護と現状/生活とゲストハウス/住まいを考える
・第5章 民族衣装の新潮流
民族衣装の現在的意味を考える/伝統的民族衣装(プロトタイプ)/新民族衣装/民族衣装風ユニフォーム/文化遺産の創造的継承
・第6章 民族音楽のゆくえ
ナシ古学との出会い/ナシ古学とは/ナシ古学の衰退から復興へ/ツーリスト・コンサートの開始/世界文化遺産登録以後/ツーリスト・コンサートによるナシ古学の変化/ツーリスト・コンサートの運営形態とその問題点/無形文化遺産としての「ナシ古学」の危機と今後のゆくえ
・第7章 観光産業の創出と文化遺産の継承
観光芸術と地域振興/文化市場の二重性-文化政策と観光芸術/麗江とトンパ文化/現代トンパ工芸品の成立プロセスと問題点/文化遺産の継承とその観光活用は両立し得るのか?/観光産業と文化遺産の持続可能な関係性構築に向けて
・おわりに
著者:山村高淑、張天新、藤木庸介
出版社:世界思想社
サイズ:A5
ページ数:192
発行年:2007.12
