作ることの日本近代 一九一〇 - 四〇年代の精神史
物を作り人を作る力とは何か。近代化のかたちの根源に向かって、夏目漱石・柳宗悦・萬鉄五郎・高田保馬・小原國芳・三木清・中井正一・保田與重郎・堀口捨己などを取り上げ、分野を横断しつつ「作ること」の視点から日本の近代化を再検討する。
■目次
序 作ることの日本近代に寄せて 伊藤徹
第1章 深淵をなぞる言語 伊藤徹
夏目漱石『彼岸過迄』のパースペクティヴィズム
第2章 作り手の深層 竹中均
柳宗悦における神秘と無意識
第3章 「個性」の来源 伊藤徹
萬鉄五郎・生ける静物
第4章 近代的知の臨界 荻野雄
高田保馬の利益社会化の法則
第5章 〈生命〉探求の教育 岡部美香
小原國芳の修身科教授論
第6章 虚無のなかの構想力 秋富克哉
三木清・技術哲学の立場
第7章 運動としての「模倣」 長妻三佐雄
中井正一の挑戦
第8章 神話の造形 西村将洋
保田與重郎と知/血の考古学
第9章 「手仕事」の近代 土田真紀
地方の手工芸と一九三〇年代
第10章 一九一〇 - 四〇年代の建築における「日本的なもの」と行為概念 笠原一人
著者:伊藤徹
出版社:世界思想社
サイズ:四六
ページ数:310
発行年:2010.10
