仮想化されない残余
「この世の始り」とは?いったん事が始まるやいなや、その始り自体は抑圧される。というのも、我々は自らを成り立たせる事情が偶然的なものにすぎないということ隠すために・・・。ラカン派マルクス主義の哲学者ジジェクが、カントとヘーゲルの間で影が薄くなりがちな哲学者シェリングを、フロイト、マルクスまでも先取りする存在として取り上げ、思弁的な「この世の始り」だけでなく、神、主体、そして現代宇宙論が語る宇宙のはじまりまで言及して、シェリングをこの問いかけの源流として位置づけると同時に、コンピューターと性、イデオロギーの終焉など後期資本主義文化の現況をラディカルに解析し、この問いかけに顕われる主体という現代人が抱える病的な側面を説き解き明かしていく。
著者:スラヴォイ・ジェジェク 松浦俊輔
出版社:青土社
サイズ:A5
ページ数:417
発行年:1997.11
