ホーム 生きられたニュータウン 未来空間の哲学

生きられたニュータウン 未来空間の哲学

セール価格 2,640円(税込)

ニュータウンから、近代の問いへと向かう。進歩と成長の時代にうまれた千里ニュータウンや湘南ライフタウンは、いまや老朽化が進み、荒廃しつつある。ニュータウンの終末以後、わたしたちは、どのような生活のための空間を創出し、生きることができるのか。本書は、この問いをめぐって、哲学、建築思想、文学などから示唆を得つつ、哲学的な考察を試みる。自らもニュータウンで生まれ育った気鋭の思想家による、今後の都市の生活空間の展望を開く画期の書。

■目次

・生きられたニュータウン

  ニュータウンのエコロジー思考

  現実感の希薄さ安部公房の『燃えつきた地図』

  人工都市における欠乏/自然の訓致/瞑想と絡まり合い

・ニュータウンと自然

  黒川紀章のニュータウン・湘南ライフタウン

  黒川紀章の思想と方法・共生と原型

  湘南ライフタウンの幼年時代/二つの境界・共生と混淆

・人工・超都市・集団性

  ニュータウンに関する概念枠

  人工化と崩壊可能性/超都市と放擲、静寂と作品化

  諸さと集団性/閉塞と錯綜

・人工都市の空間

  風景の不在、空間の実在/ニュータウンを歩く

  真空と解体/集団的住宅地と新しい市民秩序

  動きの不在と網の目の衰微/客体的な世界/匿名の都市

・空間の静謐/静謐の空間

  空間の感覚/正気と静寂

  都市の静寂 テユ・コールの『開かれた都市』

  静寂からの作品

・巨大都市化と空間秩序

  都市の巨大化と空間の操作/全体論的な空間秩序 浅田孝と高山英華

  社会存在の論理 田辺元の社会哲学/都市像の変遷 相互連関の錯綜体へ

  巨大化の果て/田辺元の空間論

・崩壊のふるまい/ふるまいの崩壊

  超都市・崩壊・分解/空間の原型/荒廃

  相互連関とふるまいの場/坂部恵の「ふるまい」論/小括

・ニュータウンの果て

  廃屋と槇文彦の「群の空間」/多木浩二の「生きられる空間」

  空間の外在性/更地と充満/ニュータウンの空間秩序の論理

  空間秩序の発展 黒川紀章の思想/拡張の果て/気配と錯綜体/小括

・都市の物語 箱、錯綜、混淆

  生活の悪化/集団性と詩的触媒/機械状の主体性/物語と都市

  箱と脱出/箱と梱包/ハウス・イン・ニューヨーク

・静かな都市

  身体と静寂/生成と形/生成の気配/ニュータウンン昼と夜

  ニュータウンの時間/小括

著者:篠原雅武

出版社:青土社

サイズ:四六

ページ数:262

発行年:2015.12