廃墟論 新装版
荒れはてたローマのコロセウム、18世紀西欧を席巻した「ピクチャレスク」・模造廃墟・人工廃墟、「アッシャー家の崩壊」、廃墟の博物館、そして核がもたらす黙示録的廃墟まで。古今の芸術家・文学者は、廃墟からいかに多くのインスピレーションを授かってきたか。
■目次
一、だれがデイジー・ミラーを殺したのか
「猿の惑星」/ローマの円形競技場/グランド・ツアー/ヒトラーの千年帝国
二、つむじ曲がりの楽しみ
メリダの水道橋/アッピア街道/フェリーニの「カビリアの夜」
三、忘れられない廃家
ザンジバル島の王女/「大いなる遺産」のサティス館
バイロン卿のニューステッド修道院
四、傘も差さずにエフェソスで
カラカラ浴場/ジョン・キーツの墓/フローベルとメムノンの巨像
失われた都市ニンファ
五、模範とすべきはかなさ
人間の死すべき運命と建物の崩壊とのアナロジー
トマス・ハーディの「ダーバヴィル家のテス」
六、時の難破船
修道院解散法/画家とピクチャレスク/「ゴシック・リバイバル」/人工廃墟
七、大まじめに作られた模造廃墟
レプティス・マグナの廃墟/オーランドの自然現象博物館
ラジェンスキー宮殿庭園の劇場/廃墟の画家ロベール・ユベール
八、廃墟となった自画像
地下聖堂(カタコンベ)
九、オジマンディアス・コンプレックス
ロンドンの終末/千年至福説/若い「新世界」人の誕生/風景画家トマス・コール
パスキーノ像/オジマンディアス
十、宙に浮遊する埃
トレドのモスカルド大佐/ドレスデンの聖母マリア教会
オラドゥール・スュル・グラーヌの廃墟/ロンドン大空襲/コヴェントリーの大聖堂
十一、小説家、漁師、そして公爵
「廃墟の快楽」/ジョン・ハリスの田舎屋敷探索/「私が幼年時代を過ごした場所」
著者:クリストファー・ウッドワード、森夏樹
出版社:青土社
サイズ:195×140
ページ数:383
発行年:2016.05
