近世の建築・法令・社会
本書は、近世における寺社建築行政と建築、さらにそれを取り巻く社会構造、すなわち人々の思惑と規制の解釈について考察する。都市に対する権力、都市に住む人々、規制を意識しつつ建築する大工、かれらの建築に対する考えについても迫る。
■目次
・序章
第一節 既往の近世における建築規制研究
第二節 近世の建築規制概観
第三節 建築規制における一つの傾向
・第一部 建築規制と大坂町奉行所・大工・施主
第一章 畿内における建築規制と大坂町奉行所
はじめに/大坂町奉行所と規制/当該地域における民家普請申請手続きについて/畿内における建築規制行政の相違(その枠組把握のために)/大坂町奉行所による規制行政と、大工組織による規制運用/まとめ
・第二章 摂河における規制と行政
はじめに/普請申請書類からみた規模表現と記載規模の実態について/大坂町奉行所支配地域における建築規制運用の実態/まとめ
・第三章 在郷大工組を取り巻く施主方の動向
はじめに/大工出入と大工の得意場/大工組織を取り巻く施主あるいは村方/大工組織を取り巻く社会的環境と規制/まとめ
・まとめと今後の課題
・第二部 萩藩の寺社に対する建築規制と違反例
第一章 寺社建築物に対する建築規制と作事申請手続き上の違反
はじめに/寺社建築物に対する建築規制/「諸士御仕置帳」にみる手続き上の違反/まとめ 萩藩寺社建築物規制の特徴
・第二章 寺社建築物における申請相違作事・不届け作事
はじめに/寺社建築物に対する部分的な申請相違・不届け作事/作事と処分/まとめ
・第三章 普請申請書類と全く異なる作事が行われた申請相違作事・不届け作事
はじめに/見分のがれ作事について/まとめ
・まとめと今後の課題
・終章
著者:妻木宣嗣
出版社:清文堂
サイズ:A5
ページ数:428
発行年:2013.09
