父・吉田謙吉と昭和モダン 築地小劇場から「愉快な家」まで
「愉快な家だなぁ」と今和次郎は言った。昭和24年、東京港区飯倉に、木造のちいさな家が建った。考現学の師・今和次郎に「愉快な家」と言われたこの家は、舞台美術家・吉田謙吉が設計した。帝国ホテルのホール設計、川端康成『伊豆の踊子』の装幀、原節子『新しき土』の映画美術、従軍看護婦の制服、花王石鹸のパッケージ。昭和のデザイン界をリードし、築地小劇場、マヴォ、バラック装飾社などに参加。その厖大な作品をカラーで紹介するとともに、つねに挑戦し続けた生涯を長女が回想する。
■目次
・吉田謙吉 その作品
・十二坪の小さな家
・吉田謙吉 その人
・築地劇場からはじまる
・戦中・引き揚げ、そして戦後
著者:塩澤珠江
出版社:草思社
サイズ:A5
ページ数:190
発行年:2012.02
