メディア・モンスター 誰が「黒川紀章」を殺したのか?
建築家・黒川紀章を「メディアによる自己宣伝」という観点で6年もの歳月をかけて関係者に取材してたどるノンフィクション。「饒舌過ぎる男」と言われるほどメディアに露出し、語り、数多くの本を出版したにもかかわらず、黒川の人生には謎が多い。
「メディア・モンスター」と呼ばれた彼の人生をひも解くと、情報の流れ、影響力が「公」から「個」へ、マスメディアからソーシャルメディアへとフラット化する時代の流れが浮かび上がる。未公表の事実や証言を元に、高度成長期をメディアの中で駆け抜けたスター建築家の人生から、「誰でもメディア」時代を翻弄されながら生きる大衆の姿もまたモンスターのように浮かび上がる。
■目次
・プロローグ
・第一章 ドン・キホーテ
・第二章 ガガーリン・クロカワ
幽体離脱/蟹江町/東海学園ユニーク人脈
もうひとりの師/もはや「戦後」ではない
・第三章 建築界の「鉄腕アトム」
東京湾/新陳代謝するメディア/未来人間/カプセル宣言
・第四章 狼がやってきた
中銀カプセルタワー/虚像オバケ現る
・第五章 ジャパン・アズ・ナンバーワン
利休ネズミとバロックの恋/国家的建築家へ/泡と消えた幻
・第六章 共生の思想
狂い始めた歯車/TOKYO大改造/未来都市アスタナ
・第七章 サムライ
蜜月の終わり/いざ出陣
・エピローグ
著者:曲沼美恵
出版社:草思社
サイズ:四六
ページ数:625
発行年:2015.04
