
建築のかたちと金融資本主義 氷山、ゾンビ、極細建築
建築が金融商品になり下がるとき、そのデザインに何が起こるのか?その「かたち」は、社会にどんな影響を及ぼすのか?
あらゆるものが金融商品と化するこの時代、建築はその最たるかつ最大のものであるといえる。建築が金融商品に「最適化」されるとき、その形は極端にゆがめられてしまう。その結果生まれた「氷山」、「ゾンビ」、「極細」建築とはいかなるものなのか。建築家はそれを受け入れるのか、あるいは抵抗するのか。そして実際につくられた建築の形態は、都市や社会の本質に何をもたらしているのか。
ザハ・ハディド、リチャード・ロジャースやP・V・アウレーリ(DOGMA)、さらにはアルド・ロッシやアドルフ・ロースなどの作品を比較検証しながら金融化との建築家の距離感を分析し、バーチャル空間の金融フィクション化(Fi-Fi)までをも射程に含める、新時代の建築評論。
■目次
第1章 金融資本主義と建築
第2章 ゾンビとゴースト、成長と衰退
第3章 金融のかたち
第4章 超富裕層とスーパープライム
第5章 単純化とポスト・ソーシャル 空間
第6章 住宅用アバターと生活用サロゲート
第7章 不変のオブジェ
第8章 Sci-FiからFi-Fiへ
著者:マシュー・ソウルズ、牧尾晴喜、翻
出版社:草思社
サイズ:四六
ページ数:336
発行年:2025.01