
フェミニスト・シティ
男性基準で計画された都市で、
女性たちはどう生きのびてきたか
なぜ、ベビーカーは交通機関に乗せづらいのか? 暗い夜道を避け、遠回りして家に帰らなければならないのはどうしてか? 女性が当たり前に感じてきたこれらの困難は、じつは男性中心の都市計画のせいかもしれません。
これからの都市は、男だけでなくあらゆるジェンダーに向けて作られなければならない。
近代都市は男性による男性のための計画によって形作られてきた。多くの公共スペースは女性のために設計されておらず、母親、労働者、介護者として生活する女性たちに不自由を強いてきた。ヨーロッパでは街を歩くだけで売春婦と思われた時代があり、現代においても危険な夜道は解決されない問題として残っている。フェミニズムを建築的に展開させた本書が、世界を作り出す新しい力(パワー)になるだろう。
■目次
イントロダクション:男の街、女は厄介者
都市について書いているのは誰か?、自由と恐怖
フェミニズム地理学について
一章:母の街
フラヌーズ、パブリックなからだ、女性の場所
都市という難所、母親業のジェントリフィケーション
性差別のない街とは
二章:友達の街
友情に生きる、ガールズ・タウン、友情と自由
クィア女性の空間、死ぬまで友達
三章:ひとりの街
パーソナルスペース、おひとりさま、ひとりでいる権利
公共空間の女、尾籠な話、女が場をもつこと
四章:街で声を上げること
都市への権利、安全をDIYする、アクティヴィズムにおけるジェンダー
アクティヴィストの旅、行動が教えてくれるもの
五章:恐怖の街
恐怖心の正体、危険の地理、恐怖のコスト、押し戻す方法
女の大胆さ、交差性と暴力
あとがき:可能性の街
著者:レスリー・カーン、東辻賢治郎
出版社:晶文社
サイズ:四六
ページ数:282
発行年:2022.09