
障害の家と自由な身体
バリアフリーは「障害者」を「健常者」に合わせる考え方だが、社会の均質化につながるのではないか。本当のゆたかさは「障害」の側にあるのではないか。そうした意識から、アーティストである大崎晴地は障害そのものを建築的に考える「障害の家」プロジェクトを進めてきた。三度の展示を経て、建設に向けた計画が始まっている。
本書はこれまでの展示と連動して行なわれた対談・座談の記録集であり、「障害」「家」「リハビリ」「アート」を多角的に考えるための一冊である。「障害」が、真のゆたかさと自由につながる。哲学/精神医学/建築/アートを横断しながら、障害を考える対話集。
■目次
無作為な関係性をつくる 大崎晴地
・Grow up!! Artist Project 2014 報告会
暴走性をはらんだ建築はできるか 池上高志、毛利悠子
住むことの経験を再編するために 河本英夫、十川幸司、村山悟郎
アクシデント、不自由さをデザインする 八谷和彦
家という生き物 佐野吉彦、笠島俊一
・「障害の家」プロジェクト Barrier House Project
スペクトラムの時代の「家」に向けて 松本卓也
・HYPER-CONCRETENESS―フィクションと生活
複数の自閉から成る世界 小倉拓也
超具体的な現実から共約不可能性を考える 中尾拓哉
・八頭町里山建築プロジェクト
建設に向けて―アートケアラーの住むまち 大崎晴地
著者:大崎晴地
出版社:晶文社
サイズ:A5
ページ数:252
発行年:2023.08