
危機の時代からみた都市 歴史・美術・構想
グローバリゼーションの果てに、環境問題、経済格差、人口問題、は加速し、災厄は地球規模で生じるようになった。自然災害、戦争、テロ、そして未曾有の感染症まで、危機が都市を覆い囲む今、われわれに見えてくるものとは何か? 建築、土木、都市計画、社会学、美術史、文学、思想の観点から、都市の過去をたどり、未来の都市の姿を探る。
■目次
第一部 危機の時代の社会と都市、構想と未来
「危機の時代」における日本の都市 長田攻一
都市の未来と道路:空間とネットワーク 大石久和
ポストCOVID都市のための社会インフラとは何か?
マチウ・ベルジェ、ジョフレ・グリュロワ
ブリュッセルの自転車専用交通網の発展に対するCOVID-19のインパクト
:戦術的都市計画と美的経験/クレール・ペルグリムズ
車の道から歩く道、自転車の道、走る道へ:都市の困難と再生 河野昌広
第二部 都市の創造と再生
建築・都市は、災厄からいかに蘇ることができるのか 古谷誠章
創造的手法としてのノーテーション 藤井由理
「小さな手つき」で実現するアートのまち
天王洲における小規模継続的整備によるエリア価値の再構築 山村崇
朝日の昇る国のメガシティの芸術と文化:ブラジル、サンパウロの場合
マーティン・グロスマン
第三部 都市の歴史と文化
古典古代の疫病と都市:文学作品における描写 宮城徳也
墓のある都市景観:秦始皇帝陵の陵園と魂の巡遊 楢山満照
十八、十九世紀における朝鮮の文人知識人層による園芸趣味 鄭珉
地底都市の美しき生活:タルド『未来史の断片』を読む 池田祥英
第四部 都市の表象と美術
二十年後、ニューヨークの9・11に応答し制作された芸術を振り返る
:ゲルハルト・リヒター、エリック・フィッシュル、中川直人
ロズ・ダイモンを通して ゲイル・レヴィン
ニューヨークの画家 木村利三郎:都市の表象と〈9・11〉 坂上桂子
荒川修作+マドリン・ギンズの都市構想「Reversible Destiny City
天命反転都市」:プラネタリー・アーバニゼーションの時代に 田中綾子
モダンアートの「反転」とミュージアムの変容:ダダからパンデミックへ
塚原史
東京ステーションギャラリーの戦略:都市型私立美術館の課題と限界
冨田章
著者:坂上桂子
出版社:水声社
サイズ:A5
ページ数:445
発行年:2022.04