ブラマンテ ルネサンス建築の完成者
ブラマンテはルネサンス史上最大の建築家である。サンピエトロ大聖堂やバチカン宮の原設計を始めとする彼のローマでの作品によって、ルネサンス建築が初期から盛期へと決定的に移行し、それがその後数世紀の建築史の展開を準備した。その重要性にもかかわらずブラマンテを単独に扱う日本語文献は皆無である。先立つブルネッレスキやアルベルティ、あるいは後継ぐミケランジェロやパッラディオには五指から十指に余る文献が挙げられ、著しい不均衡をなす。現代ブラマンテ研究の第一人者による本書は、著者のそれまでの研究成果を総合して1969年に出版された「建築家ブラマンテ」をもとに、後の研究を踏まえながらより広範な読者のために歴史的文化的側面を補いつつ書き下ろされた。ブラマンテに関して現在最も基本的な文献である。
著者:アルナルド・ブルスキ、稲川直樹
出版社:中央公論美術出版
サイズ:B5
ページ数:388
発行年:2002.02
