関西モダンデザイン前史
近代デザイン史の研究は、産業及びデザイナーの養成のための教育機関との関係、地域産業、地域文化の観点、先進諸国からの文化受容の観点から行なうことが出来る。本書は大阪を中心とする関西の近代デザインの歴史を地域性の観点から把握しようとする労作である。
近代デザインの発展が産業に直接結びついているとはいっても、日本の場合、産業から自然発生的に誕生したのではなく、教育機関の果たした役割が大きい。関西には京都市立美術工芸学校、京都高等工芸学校、さらには大阪の精華美術学院などがあったが、本研究では京都高等工芸学校の創立から卒業生の活躍について調査し、後半では関西の実業界、とくに商業界におけるデザインの実体を明らかにする。なかでも印刷界、映画広告界における図案家の活動とその作品について調査し、これまで顧みられなかった初期近代デザインの実体を明らかにする。
著者:宮島久雄
出版社:中央公論美術出版
サイズ:A5
ページ数:542
発行年:2003.01
