ヴィオレ・ル・デュック 建築講話I
中世建築を広義の立脚点から解読していったヴィオレ・ル・デュクの軌跡は、結論として普遍的な建築哲学に到達している。そこには19世紀の近代精神が輝いており、その近代精神は20世紀のそれを凌ぐほどの整合性をもって聳えている。「建築講話」は、もっとも19世紀的かつもっともフランス的なラショナリズムの書であり、それゆえにこそ、本書は全歴史を通じて最も刺戟的な建築論のひとつとなり得ている。本書は全20講よりなり、I 巻は第10講までを注釈を付して訳出した。2004年再販出来。
■目次
第一講 野蛮とは何か
第二講 原始時代の建物
第三講 ギリシア人とローマ人の芸術の比較
第四講 ローマ人の建築
第五講 建築の研究方法、ローマ人パシリカ、古代人の私的建築
第六講 古代建築の衰退期、ビザンティン建築の起源、キリスト教公認以後の西欧建築
第七講 中世西欧建築の原理
第八講 建築衰退の原因
第九講 建築家に必要な原理と知識
第十講 19世紀の建築と研究の方法
著者:ヴィオレ・ル・デュック、飯田喜四郎
出版社:中央公論美術出版
サイズ:B5
ページ数:421
発行年:2004.11
