ル・コルビュジエの手
アンドレ・ヴォジャンスキーは20年余にわたり、ル・コルビュジエのアトリエで後年はチーフとして、著名な各地のユニテ・ダビタシオンや数々の設計・建設に協働して携わった腹心の部下である。本書はル・コルビュジエ生誕100年を記念して、「手」をキーワードに師匠をしのんで書かれた。写真やスケッチ図版を挿みながら、「背丈」「足音」「巨匠の手」「機械」「ユートピア」などのキーワードでル・コルビュジエを描写する。思考し、踊り、歌う天才の手がおりなす動きを追う観察眼は、彼の設計の機微とひそやかな創造の内奥にあるキラめく造形の詩をとらえる。最も身近な人間の見た生身のル・コルビュジエ。
■目次
背丈/巨匠の手/足音/性格/両の手/さわること/つかむこと/からだ/努力/苦味/蛇行/海/率直さ/自己形成/開いた手/ピカソ/純真無垢/ひとりと沈黙/喜び/直観力と冷静さ/巨匠の仕事ぶり/手は描く/包み/家と太陽/まとまり/輝く都市/もうひとりの建築家/歴史/普遍/機能主義/機械/ユートピア/進歩/空間/かたち/美しい/がらんどう/表皮/贈りもの/ナンジェセールとコリ/ル・コルビュジエの母親/光/モデュロール/音楽/詩/生成/連続体/美的な状態、詩的な状態/言葉に尽くしがたい空間/直角/原注および引用文献/訳注/訳者あとがき
著者:アンドレ・ヴォジャンスキー、白井秀和
出版社:中央公論美術出版
サイズ:210×145
ページ数:138
発行年:2006.12
