アントニオ・サンテリア 「新都市」註解
ほぼ100年前に「2000年の建築をめざして」とも謳われた「未来派建築」の中心的建築家A・サンテリア。1914年に発表された「新都市(チッタ・ヌオーヴァ)」のドローイングは、近代建築(モダニズム)の到来を予告するメルクマールとして歴史に刻まれている。その2年後には、第一次世界大戦下で28歳の若さで突然生涯を閉じた。サンテリアの作品は、すべてがそのドローイングに尽きる。ドローイングで近代建築の都市空間(メトロポリス)を見事なまでに告知した。鉛筆やペンで描かれた力強いドローイングは、新しいテクノロジーによる都市空間の可能性を鮮烈なイメージのパースペクティヴに定着させた。ほぼ1世紀をかけて現実の都市がその後を追ったとも言える。サンテリアの作品は、現代におけるテクノロジーと建築、都市との関係を考える上でも、単なる歴史的な出来事以上に、新鮮な発見を秘めている。全ドローイング数は紛失したものも含めて373点が確認されるが、その主要作品173点が、彼の生地コモの市立美術館に収蔵されている。このたび同美術館の全面的な協力を得て、イタリアでも未だ前例のない同美術館の全収蔵作品の原寸オールカラーによる復刻が実現した(15点は縮小印刷)。A3判二つ折り9点、A3判三つ折り4点、A全判10点
著者:鵜沢隆
出版社:中央公論美術出版
サイズ:A3
ページ数:
発行年:2007.04
